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表裏
蜷川幸雄演出の音楽劇「表裏源内蛙合戦」を観にシアターコクーンまで行ってきました。
私は蜷川演出の作品ははけっこう好きでして、長い時間のものもあまり「長い」とは感じなかったことが多いんです。なので今回も上演時間4時間10分(1幕が2時間10分ちょっと)と分かっていても正直そんな不安はなかったんですよね。それにかつてこのコクーンであの10時間演劇『グリークス』を観た経験もありますんで(←面白くて時間の経過が気にならなかった作品)
ところが・・・この「表裏源内蛙合戦」は・・・正直、長さを感じてしまった(汗)。これはですねぇ、この舞台の系統が好きになれるかなれないかで感覚も大きく変わってくると思います。私はどちらかというとハマれなかった部類。蜷川作品を今までいくつか見てきていますが、途中数分記憶が途切れたのは初めての経験(爆)。肌に合わないと感じた人にとって立ち見はかなりキツイものがあるかも…。

ただ舞台演出はさすが蜷川さん!ものすごくシンプルなんだけど、セットの配置とか動きとかものすごくバリエーションが多くて楽しめました。時代劇系のお話ということで随所に歌舞伎的演出(浅葱幕が落ちるところは特に印象的です)があるのも面白い。回り舞台をアナログで表現していたシーンはけっこう笑えました(笑)。それから舞台の両端に電光掲示を設置してあるのも面白い試みだなと思いました。各場面に変わるとそのサブタイトルが出てきたり、歌が始まるとそこに歌詞が出てきたりします。以前、野村萬斎さんが"電光掲示狂言"をやっていたときにこの手法を取り入れてたんですよね。何か懐かしかった。
とにかく相変わらず舞台全体を余すところなく使っているのが気持ちいいです。たまにものすごく勿体ない舞台の使い方をする作品もあるので、こういうところは本当にすごいなぁと尊敬してしまいますね。ただ、客席を使ういつもの演出が今回なかったのが残念。下手の通路席だったのでひそかに期待していたんですが・・・誰も横をすり抜けませんでした(笑)。客席使わない蜷川演出見たのって私は初めてかも?

主な出演者
上川隆也、勝村政信、高岡早紀、豊原功補、篠原ともえ、高橋努、大石継太、立石凉子、六平直政  ほか

以下、少々ネタバレ気味の感想です。


舞台が始まるまでは客席に奥の衣装や鬘といったものを全部あけっぴろげに見せている状態だったので、本編でもこのままなのかなと思っていたんですが…暗転したあとにパッと明かりがつくと一面鏡の壁になってて客席が背景に早変わり。蜷川さん、鏡を使った演出がホント好きですよね(笑)。でもこういう使い方はすごく巧いと思う。観客の心をガッと持っていった感じでした。
オープニングは和の正装で出演者全員がズラッと正座して出てきてビックリ。役としてではなく、ここは演じる役者としての口上から入ります。それはそれは華やかで壮観。笑いも交えた挨拶で(特に六平さんの稽古場での葛藤を告白した口上が面白かった 笑)面白かったですね。座長の上川さんはやっぱりカッコいいオーラ全開でした(笑)。

ストーリーは江戸時代に活躍した平賀源内の生涯を追ったもので、数々の功績を残しながらもやがて世間から認められなくなり寂しい最期を迎えるまでが描かれます。平賀源内といえば・・・私は昔NHKでやっていた「びいどろで候」に出てきた面白い人っていうイメージくらいしかなかったので(笑)、今回ほぼ初めてその人生を大まかにではありますが知りました。小さい頃から聡明で医学、科学などといった分野で大活躍した人だったんですねぇ。「そんなことも源内が!?」と驚かされるエピソードがいくつもありました。
しかし、出世が思うようにできず後半は市民から理解も得られずどんどん人生の下り坂を転がっていき、最後は人を殺めて牢獄出寂しい最期を迎えてしまう。この栄光と転落の落差がなんだかとても哀しかった。彼は生涯本当に自分の求めたものにたどり着けず葛藤し続けたわけですが、ラストシーンで牢死した源内の周りに今までかかわってきた人たちが集まって歌うシーンは「源内への優しい鎮魂歌」のようでとても感動的でした。光の使い方とかすごく印象的でしたね。

今回は平賀源内を表と裏とに分離させてストーリーを展開させていく作品で、夢と理想に燃える表側の源内を上川さんが、一方で残酷なことを考える裏側の源内を勝村さんが演じていました。表向きの源内がほとんど活躍してて裏向きの源内は黒子の役割とかやってることが多いんですが、ふと表の源内が悩み迷ったりすると裏の源内が登場して「負」の方向に持っていく。特に2幕の秋田で貧しい農民たちに加勢したいと悩んでいた表の源内に裏の源内が現れて殿様に「農民が一揆を起こそうとしている」と告げ口してしまうシーンが印象的でした。

と、ストーリー的には面白いんですが・・・いくつかのエピソードが異様に長く感じることがあって・・・。歌う場面がけっこう多かったんですが、なんか無駄にダラダラ長い印象。同じ曲調で延々続いてるものとかあって退屈することもあったし、「長崎は今日も雨だった」のフレーズをしつこく随所に出してきたのもなんだか引いてしまった(苦笑)。あれは1-2回程度が面白いんであって、それ以上続けたらちょっと興醒めだと思うんですよね。
それから・・・遊郭のシーンは前にも見たことがあるんで抵抗はあまりないはずなんですが・・・今回はちょっと長すぎやしないかね(苦笑)。1幕の最後はこのシーンがかなり長く続くので、正直集中力が途切れましたがな(爆)。延々と続くピンクの時間帯は・・・ちと個人的に引きました。
もうひとつ引いたのが「両国」の場面。源内の発明品を民衆がチャカしているっていうシーンなのですが・・・相撲はまぁいいとしましょう(←体張ってた女優さん、あっぱれ)。公共放送では流せないようなレプリカをおおっぴらに持ち歩いている売り子さんもまぁ、この際よしとしましょう(苦笑)。でも、あの、最後のお尻芸はいかがなもんでしょうかね。その芸のラスト・・・「そこまで表現したものを見せるってどうよ」と私はちょっとドン引きしちゃいましたよ(爆)。まぁ、グロさを出すってことであれも芸術の一つといえばそうなんでしょうけど・・・。一番前で見てた人は衝撃受けたんじゃないかと…(苦笑)。

ただ、グロいという表現のなかでは「腑分け」シーンは個人的にちょっと感動してしまった。処刑された青田婆を表と裏の源内が人体研究として解剖していくんですが、出てくる臓器に絡まる血を赤い糸で表現していたのが幻想的でよかったと思います。その様子をそばで杉田玄白が眺めているという構図なのですが、それが後々「解体新書」に繋がっていくということのようでしたね。

主演の上川さん、軽快な動きと明るいセリフ回しがとても好感がもててよかったです。特に上川赤ちゃんは傑作!!めちゃくちゃ可愛かった(笑)。「SHIROH」以来2度目の上川さんの歌を聞いたんですが、なんかすごく懐かしかったなぁ。ラストで苦悩する芝居とかは本領発揮。やっぱり巧い役者さんだと思います。
裏の源内を演じた勝村さん、舞台は久しぶりに見たんですが・・・素晴らしい存在感。2幕冒頭の講談は本当に拍手モノでした!裏源内は基本的に黒のイメージですが、そんなに悪人って感じでもなくてむしろカッコいい。歌だけがちょっとネックでしたけどね(笑)。
豊原さんはけっこう好きな役者さんだったんですけど、今回初めて舞台姿を見てなんか惚れ直しちゃったかも。カツゼツもいいし舞台映えするしカッコいい!六平さんもさすがの存在感。何役もこなしてましたがどれもとても印象深かった。
高岡さんは妖艶で美しい魅力にあふれてましたが、いま一つ存在感がなかったのが残念。逆にビックリしたのが篠原ともえちゃん。ものすごく大人っぽくてきれいで・・・はじめは誰だか分らなかった。いい大人に成長したなぁと思いました。

まぁ、この舞台は好き嫌いが分かれる作品だと思います。好きだと感じたら時間の長さは気にならないと思うし・・・。延々続く大人の時間的な描写やあけっぴろげの人間模様を観るのが苦手な私みたいな人はちょっと合わないかも。

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テーマ : 観劇 - ジャンル : 学問・文化・芸術

ストレート演劇 comments(4) trackbacks(1)


コメント

好み・・・かも

とし女さん、初めまして!コメントありがとうございます♪

『表裏~』は私も今まで観た蜷川演出の中で一番好きになれなかった作品でした。WOWOWの中継も録画しなかったくらいです(笑)。蜷川さんはけっこう長い時間を費やす作品が多いんですが、私が今まで観た作品は飽きがこなくてむしろ面白かったと思えるものばかりだったんですよね。だから、この作品を観た時に正直ものすごい違和感感じました。
『表裏~』に限って言うと・・・もうこれは好みの問題かなと(笑)。あの世界観がハマる方と全くハマらない方とに分かれたんじゃないかと思います。相性っていうのもありますからね(^-^;。

最近舞台作品にネームバリューのある人が進出してくるようになってきましたが、一概に有名人が出てるから舞台が面白くないというふうには言い切れないと私は思ってます。意外と「いいかも!」と思える役者さんも私の経験の中ではありますし。まぁ、明らかに舞台舐めてただろうっていう有名人も中にはいますけどね(笑)。
テレビには出ずに舞台中心で活躍している人もたくさんいますよね。一般的には有名ではないのですが、その世界の中ではけっこう名の通った人たちなので何を以って「有名かそうでないか」というのは分からないのですが、舞台においては彼らのほうがたしかに魅せ方を心得てるし巧いなと思います。

上川さんはもともとは舞台の方です。キャラメルボックスという小劇団(今は中劇団くらいになってますが 笑)をホームグラウンドとして今も活動していますが、テレビでの仕事が多くなって「テレビの人」という印象が強くなってしまったのかもしれません。おそらく、「表裏~」では上川さんの持つ魅力が十分発揮されなかったんじゃないかと・・・というか、発揮できにくかったのかも・・・。
テレビでの演技も素敵ですが、舞台での上川さんの演技も素晴らしいと私は思ってます。

舞台もドラマと同じく相性があります。高いお金払ったのに「金返せ」という想いにさせられる作品も今までありました(苦笑)。でも逆に「もっとこの時間を共有していたい」と胸震えるような感動に包まれる舞台もたくさんありました。生で味わう感動は私はテレビ以上のものがあると私は思ってます。
でもこれはあくまでも個人的見解ですので(^-^;。合わない人には合わないと思うしそれを否定することはありません。相性ですね、やっぱり。

とし女さんも、もし今後また舞台に興味をもたれることがありましたら劇場に足を運んでみてくださいね。

NO TITLE

はじめまして。
表裏~観ました。残念ながら、長いし疲れた印象しかなかったです。
上川さん素敵かもしれないけど、なぜかテレビのほうがよかったです。
舞台ってなんでしょうね?毎日考えています。
役者さんという職業も何なんでしょうね?
なんか最近ものたりなくて。出ている俳優さんも顔が売れてるからその舞台がおもしろいのかっていったらそうじゃなくて。
売れてない役者がやったらおもしろいんじゃないの?って思うんです。
それが本物の役者という職業な気がします。
こんなこと思うの私だけでしょうか?

無名でもおもしろい舞台って絶対あると思うんです。
売れっ子演出家の蜷川さんにはお金たくさんあるんだから、無名の俳優使って、おもしろい舞台をやってほしいと思います。絶対そう思う。

失礼いたしました。

hattiさん、コメント&トラバありがとうございました♪
1日違いでしたよね~。
翌日は勝村さんのほうが歌の調子がよかったんでしょうか?
私が観た時はけっこう手に汗握るような音程だったんですが(笑)。
日によって違うのかもしれませんね。
上川さんはまあまあ安定してたと思うんですけど…(笑)。
シノラー、大人になりましたよねぇ。あれはビックリしました。
星さんは最後まで分からず(爆)。

一日遅れの観劇でしたが
表の源内 裏の源内という設定は面白かったですね

勝村さん 意外と歌えてたと思いましたが・・・(笑)
上川さんよりも・・・略 (爆)

篠原ともえちゃん 同じくわからなかった~(笑)
星さんもわからなくて・・後でプログラムを
確認しちゃいました

TBさせていただきますね~♪



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『表裏源内蛙合戦』11・13マチネ

4時間を超える 大作!(笑) 昨日見てきた『ジーザス・・・』 1時間40分 休憩なしに対して・・・ 本日の観劇14:00開始 劇場出口を後にしたの...
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