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東京帝国劇場で4月から上演していた新演出版『レ・ミゼラブル』が先週、楽を迎え一区切りとなりました。楽とどちらにしようか迷いましたが、見たいキャストが揃っていた前楽に行ってきました。

思えば嘘みたいにトラブル続きだった今回のレミゼ公演。休演騒ぎと降板騒ぎは一番の衝撃で、一部では呪われているとまで言われていましたが(汗)・・・蓋を開けてみれば公演後半は全席売り切れ。聞くところによれば楽近くには暑い中当日券を求めて早朝から行列ができていたほどだったらしい。最初は空席もチラホラ目立っていただけに、こうして大団円を迎えたのは本当に良かったなと思います。
色々あったけど、トリコロール新聞を配布したり・・・今回のレミゼはキャストさんとお客さんとの距離が近かったなぁと。私もここ最近(特に短縮版になってから)のなかで一番親近感を持った気がする。ほとんどの部分が新しくなり印象も変わったこともあってか、いつの間にかレミゼに対する気持ちが戻ったかも。公演前や始まった当初は「2-3回観れればいいや」くらいに思っていたのが、突発も含めて7回も通ってしまいましたからw。

前楽のカーテンコールも大盛り上がりでした。一番感動したのは福井さんと吉原さんが固く熱い抱擁を交わした時だったかなぁ。福井さんの大怪我の時に支えてくれた吉原さんのエピソードをチラホラ聞いていたのでなんだかあのシーンを目の当たりにしたとき胸の底からこみ上げるものを感じて思わず落涙でした。
前楽ということでこの日に区切りを迎えるキャストさんたちが一言ずつ挨拶。最初のカテコの直後だったので客席がスタンディングする前に行われました。

アンサンブル代表はこの公演でジャベール役に抜擢された鎌田さん。しっかりとしたいい挨拶でした。鎌田さんは福井さんのファーストソロコンサートの時にゲストで来ていたこともあり親近感が沸いた役者さんの一人。クールフェラックも素敵だったけど、ジャベールとして頑張っている姿は感動的ですらありました。
面白かったのは上原くん。なんと言いますか…朴訥とした、独特の間でご挨拶してて(笑)。シャイなのかな?なんだか可愛かった。で、この上原くんの挨拶があまりに独特だったので続く谷口さんがちょっと「上原くんの後なのでどう喋ったらいいか…」と戸惑っていたくらい(笑)。さらにKENTAROさん、さらには育三郎くんまでが真似っこしたりwww。和やかで楽しい舞台挨拶でした。
福井さんは翌日に楽を控えていたので「浮かれることなく帰ったらすぐ寝ます」と言って笑いを誘ってましたw。

この舞台挨拶の様子は東宝のYouTubeに期間限定ながら掲載されていると思うので興味があったらチェックしてみてください。



主なキャスト
バルジャン:福井晶一、ジャベール:吉原光夫、エポニーヌ:綿引さやか、ファンティーヌ:知念里奈、コゼット:青山郁代、マリウス:山崎育三郎、テナルディエ:KENTARO、マダムテナルディエ:谷口ゆうな、アンジョルラス:上原理生、司教:古澤利人、工場長:田村雄一、ガブローシュ:鈴木知憲 ほか



以下、ネタバレ感想です。




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始まった当初はまだ空白があったボードも、書き込む場所を探すのが困難になるほど色んなメッセージで埋め尽くされていました。9割以上が好意的なものですが、中にはシビアなものもあったりしてちょっと興味深かったw。地方公演でも新たにボードが設置されるといいですね。


アンサンブルで印象に残ったキャストさんについて少々。

グランテールは私は丹宗さんで観ることがほとんどだったのですが、この日は菊地さん。丹宗さんよりも酒に溺れやすくヘタレ度が高いなという印象でちょっと新鮮でした。「死など無駄じゃないのか?」とアンジョに詰め寄るシーンなんかボロボロになりそうな雰囲気で見ていてものすごく気の毒に思ってしまったほど。なので最後に死を決意する時にはよほどの勇気を振り絞っただろうなぁ…と胸が痛みました。
クールフェラックの鎌田さんはやっぱり貫禄がすごいと思う!特にジャベール役を終えた後からがますます輝きを増していったというか・・・目を惹く存在。それと全く同じなのが杉山さん。ギラギラと目を輝かせオーラを放ってる上原アンジョルラスの横に行っても負けないくらいの存在感を出していたのが本当にすごいなと思いました。鎌田さん&杉山さんが並ぶとなんだか最強学生って感じ(笑)。プリンシパルキャストを演じるってやはりすごい事なんだなと改めて感じた。
あと、神田君のフイイも個人的にすごく好きでした。高音もいつも安定して歌っていたし、ちょっと萌え(笑)な気持ちが起こるような可愛さを感じさせるところもよかったww。
ガブローシュ役の鈴木君は利発だけど子供の可愛らしさも出ていていい感じ。清史郎くんがちょっと大人びた雰囲気なのでカラーが違ってどちらも印象深かったです。


続いてプリンシパルキャストさんについて。



吉原光夫@ジャベール
温かくて優しく包み込むようなパパバルジャンが非常に印象的だった吉原さん。そんな彼がいったいどんなジャベールを演じるのか…すごく楽しみにしていました。ビジュアルは、映画版のラッセル・クロウとよく似ている。無口で周囲を威圧するような雰囲気、そしてどこか孤独の影が差しているような…。つまりはつかみどころが読み取れないようなそんなジャベールでした。
最初はまだバルジャンだった時の吉原さんのイメージが残っていたので"なんとなく優しそうな雰囲気もあるな"なんて思ったりもしたんですがw、ことバルジャンに対する追い詰め方は異常なくらいの執念を燃やしている。メラメラと彼を追い詰めようと誓う歌「STARS」はなんだかちょっとゾクッと感じさせるものすらありました。
ガタイがいいので福井バルジャンとの病院の対決はちょっと違和感ww。首絞められても苦しそうじゃないし、逆にバルジャンがやられてしまうんじゃないかという危機感すら感じた(笑)。このシーンに関しては役が逆のほうがしっくり来るなと思いましたw。
吉原ジャベールの一番の見せどころはバリケードが落ちた後にバルジャンを狂ったように探しに来るシーンからでしょうか。あそこはどのジャベもなりふり構わずって感じなんですけど、吉原さんの場合はそこにさらに粘着質の怖さっていうものも加わってる。特にバルジャンと最後に対峙するシーンは、あそこで道を譲ってしまうのが不思議に思えてしまうくらいのホラー的な怖さがあった(汗)。自殺もなんだか怨念を遺していくような…ww、とにかく、クライマックスの吉原ジャベはとにかくゾクッとくることが多かった。これは褒めてますよ。すごい役作りだなと思いました。もう一度見てみたい。

綿引さやか@エポニーヌ
プリンシパルキャストは綿引さんで全制覇です。7月からエポニーヌデビューしたとのことですが、それまではアンサンブルさんだったとのこと。つまりは抜擢されたんですね!!レミゼはアンサンブル役者さんが上に昇格していくことが多い演目なので、こうして大きな役に配役されたということはなんだかすごく嬉しいです。
綿引エポ、歌はとても上手いです!これまでエポを見てすごく研究していたんだろうなというのが良く伝わってきました。雰囲気的には一番"妹"って思われてしまう率が高いかなといった感じだったな。「分かってないのね」と歌う時にもあまり悲壮な表情をしていなかったのが印象的でした。たぶん、コゼットの登場で一気に恋心に火が付いたエポニーヌって感じ。お芝居的にはまだちょっと固いなと思う部分がありましたが、回数を重ねて行けばさらに素敵になっていくのではないでしょうか。期待したいです。

知念里奈@ファンティーヌ
久しぶりに知念さんのファンティーヌ見ましたが、コゼットを想って泣くシーンは本当に迫真のお芝居で印象深かったです。知念さんもお母さんですからね。そのあたりの深みが出ていたのはよかった。

青山郁代@コゼット
今回、結局、どのコゼットさんにもあまり感情移入ができなかったのがちょっと残念だったな。衣裳が変わってしまったというのも影響してるかも…。めちゃめちゃお嬢さんに見えちゃうので(汗)

山崎育三郎@マリウス
相変わらず育くんのマリウスはキラッキラしてました(笑)。やはり貧乏学生には見えなかったかなぁ。エポニーヌには手が届かないようなそんな存在って感じさせるところはリアルだと思いましたがw。歌声が以前よりも少し太くなったと感じるせいか、バリケード内でのマリウスの逞しさが増したように感じられます。アンジョルラスの前でもハッキリと意見を言えるような。それはそれで魅力的なんだけど、やっぱり私はもう少しマリウスには「ウブ」でいてほしいなぁと思ってしまう(汗)。

KENTARO@テナルディエ谷口ゆうな@テナルディエ夫人
この二人の関係はなんといいますか、すごく対等だなという印象でしたね。どちらかが強くてコキ使ったり尻に敷いたりしてるんじゃなくて、お互いに同じくらいのパワーと権限があるみたいな感じ。なので、面白みといった点ではちょっと少なかったかもしれません。ですが、谷口テナ夫人がバルジャンに色目使ったりしようとしてるシーンはなんだか可愛くて面白かったです(笑)。

上原理生@アンジョルラス
前回もギラギラしているなぁと思ったけど、今回は上原アンジョ帝劇楽ということで力も入っていたのか…いつも以上に目がギラついてて半分イッちゃってるような雰囲気でした(笑)。そんな勢いで仲間を率いているので、そりゃもう、リーダーとしてのオーラがバリバリでした。みんなあの目力見たら吸い寄せられていっちゃうの分かるよって納得w。カテコ挨拶の時に朴訥とした口調で語ってたのが嘘みたいだったwww。

福井晶一@バルジャン
運良く福井さんのバルジャンを2度見れて本当に良かった。ジュンヒョンさんよりも歌声の迫力という点においてはちょっと劣るんですが、それでも、前回観たバルジャンよりも声に張りがあって進化しているなって感じました。それになんといっても、繊細な感情表現が個人的にすごいツボ。四季時代、『アイーダ』のラダメスを観たときにも思ったけど、福井さんの魅力って歌だけじゃなくて感情表現が胸にグッとくる瞬間が何度もあることなんですよね。バルジャンの独白のとき、「生まれ変わるのが神の御心か…」と歌った後グイッって涙をぬぐったシーンがなんだか特に忘れられない。荒んでいた気持ちがあの涙で浄化されたような、そんな感じだった。まさに胸を打つ熱唱でした。
ただ、銀の食器を持って逃げるシーンで「逃げたぁぁぁぁ」がシャウトになっちゃうのはちょっと違和感というか…笑っちゃうんですけどね(汗)。
あと、リトルコゼットに対する優しさも温かくてすごく良い。「名前を聞かせて」は歴代バルジャンの中でもやっぱりピカイチだと思います。宿屋を出て二人で歩んでいこうとするシーンでの仲良しっぷりも可愛いです。なんか本当の親子みたいに見えるw。福井さんってあんな柔らかい部分も持ってたんだなあとこの一連のシーンを見てすごい感じましたね。再発見ができて嬉しい。
成長したコゼットに過去を尋ねられた時の苦しそうな表情も印象的です。彼女を傷つけまいと必死にひた隠そうとしている気持が痛いほどわかる。だからちょっと厳しい口調になってしまう。コゼットを想うが故のバルジャンのかたくなな態度がものすごく切なく感じるのは福井さんが初めてだったかもしれない。
バリケードのクライマックスで前回福井バルジャンが最後まで戦わないことにちょっとビックリしたわけですが、今回も他のバルジャンとは違って銃を持ちませんね。これは福井バルジャンならではなのかも。弾薬を運んだり、あと戦う学生たちを止めようとしたりしてる。ただ、逃げ場を探すような仕草はこの日なかったのでそれはよかったなと思いましたw。マリウスが撃たれたあと、アンジョルラスの次にすぐに彼の近くに駆け寄って連れ出そうとするのは今回は福井バルジャンだけだと思いますが。
マリウスに過去を告白するシーン、全てを語った後彼に「何も言わないように」と諭す言葉。ただただコゼットの気持ちのことだけを考えた故の必死の懇願に涙…!マリウスが去った後、まるで"これでよかったんだ"と自分に言い聞かせているかのような表情をしたのが非常に印象深く泣けました(涙)。それだけに、一人去っていく背中が哀しかったです…。
死を前にした芝居も繊細で泣けます。コゼットの前で見せる最期の父の姿に涙…!それだけに「父じゃない」って歌詞がなおさら切なくてたまらなくてボロ泣きでした。

福井さん、大怪我を急ピッチで回復させ、よくぞここまで仕上げてくれたと思います!それにはきっと、多くのスタッフやキャストの皆さんの協力があったんだと思う。彼らの想いに福井さんは見事に応えた。その絆が感じられてすごく胸が熱くなった前楽でした。凱旋公演での出演回数は少ないと思いますが、せめてバルジャンとジャベール1回ずつはもう一度会いたいです。


11月に再び帝劇に戻ってくる『レ・ミゼラブル』。その時には今回以上に前売りの状況は良い気がする。なんとか希望のキャストが見れますように!福岡、大阪、名古屋でもレミゼカンパニーが躍動することを祈っています。




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