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前回の記事で映画『レ・ミゼラブル』のネタバレなしの感想を書きましたが、今回は映画を見ながらどうしても気になってしまった舞台版との違いについてちょっと書いてみようと思います。あ、舞台50回近く見てるって書きましたが、数えてみたら46回くらいでしたw。なので、50回弱に変更しておきます(笑)。短縮バージョンになってなかったらたぶん通算3ケタ近くいってたかもしれない。

B0000071KDレ・ミゼラブル (赤)
島田歌穂 村井国夫 石井一孝 鹿賀丈史
EMIミュージック・ジャパン 1994-06-29

by G-Tools


私が好きだった旋律とフレーズが入ったレミゼCD(赤・青)…。

97年に初めてレミゼの舞台を観に行ったとき、予習で原作本を読み上のCDも購入して準備万端だったのを思い出す。今から考えると、よくあの原作本をリタイアせずに読んだなと思いますw。が、けっこう斜め読みだったので正直ほとんど細かいところは覚えていません(爆)。
今回の映画は舞台では描かれなかった余白部分を原作エピソードで繋いでる部分があるとのことなんですけど…そんな文章があったんだ、みたいな。なので、比較すると言っても私の感想は舞台中心であることをご了承ください(汗)。

以下、舞台と映画を比較した記事になりますので・・・ネタバレ満載です。しかも、ものすごく長いです(爆)。ご注意ください。



プロローグ/囚人の歌
映画では巨大な船でガンガン水をかぶりながら囚人たちが漕いでましたが、これはたぶん新演出を意識したものですよね。たしか新演出では船の上の囚人になるという情報があったので。
私がこれまで見てきた舞台版では、囚人はどこぞの畑みたいなところで土掘りさせられてました。前と後ろの2列に並ばされて後ろの人は鍬でヘロヘロになりながら耕していて、前の人は手で掘ってた。ちなみにこの囚人の中にマリウス役とアンジョルラス役の人が混じってて(ソロを歌わない囚人役)、その二人の様子を見るのが観劇の楽しみの一つだったりしましたw。新演出でもいるのかな。

仮釈放~司教
仮釈放になったバルジャンが放浪するシーンは映画のほうが見た目惨め度がありますね。舞台ではバルジャンの惨めさを際立たせるために安い宿屋に泊っても追い出されたり(喧嘩吹っかけて追い出される)、安い賃金で働かされたり(ここも喧嘩して辞めさせられてる)散々な目に遭ってます。
そこへ司教様が登場。映画に出てきた司教様、どこかで見たことあると思ったら…初代ジャン・バルジャンを舞台で演じていたコルム・ウィルキンソンさんだった!これは嬉しいサプライズでした。司教様って舞台でもけっこう重要な役なんですよね。映画では食事をしたあとにこっそりと教会のものを盗んで逃げていたバルジャン。舞台では盗む前に「食えるだけ食わせてくれた、銀の食器だこれは高い」と心情を歌い上げながら盗んで逃亡してます。で、すぐに捕まっちゃうんだけど、映画では捕まる現場までは出てきませんでしたね。
その後司教様が「銀の燭台忘れてますよ」と持ってきてバルジャンの罪を赦すのですが、このシーンは映画のほうがグッとくるものがありました。舞台だと背景がとても殺風景なのでね(汗)。

バルジャンの独白
このシーンは旧演出舞台だと背景が全くない真っ暗なところで歌われてました。それ故にバルジャンの心の叫びのようなものが痛いほど伝わってきて泣けたんですよね。しかし映画ではそこに背景がある。教会の中で自分の罪と向かい合い涙を流していたので、あのあと彼が教会に招き入れられたんだということが分かります。
舞台ではバルジャンがどのように改心して市長にまでなったのかが謎に思えるのですが、映画だと教会で数年間修業を積んで新しいバルジャンに生まれ変わったんだろうなというのが想像できますね。

一日の終わりに
時が流れ、パリでうごめく人々が出てくるわけですが…ここは舞台よりも映画のほうが生活に逼迫している様が伝わります。舞台だと困窮してる人々が流れでファンティーヌの工場の従業員になることもあって、あまりボロボロじゃなかったんですよねw。新演出ではどう表現されるのか分かりませんが…。ちなみに、この工場の従業員の中にマリウス役とアンジョルラス役とコゼット役の人とエポニーヌ役の人が入ってます。コゼット役の人はファンティーヌにかなり冷たい態度を取っているのがなかなか面白かったな。将来の母親なのにって何度も思ったものですw。それにしても映画に出てくるファクトリーガールも嫌な奴でしたなぁ(笑)。でもファンティーヌとは取っ組み合いのけんかまではいかなかったか。舞台では壮絶な取っ組み合いがあったんですけどねw。
そのあと市長になったバルジャンが登場して場を収めようとしますが、そっけなく立ち去ってしまう。この行動は舞台も映画も同じなんですけど、映画ではなぜバルジャンがその場をすぐに離れてしまったのかが描かれていて興味深かったです。工場の外からジャベールの姿が見えたからだったんですね。舞台だとなぜあんなそっけないのかよく分からなかったんですが(汗)映画を見て納得しました。そのあとジャベールと市長として対面するバルジャンのシーンがありましたが、ここは映画のみのものだったと思います。

ラブリィ・レイディ~夢破れて
舞台と映画の大きな違いの一つがこのシーンですね。工場を追い出されたファンティーヌは映画だとすぐに波止場へ行き転落人生まっしぐらとなります。髪の毛を売るシーンはかなり衝撃的…。舞台だと後ろに隠れて鬘を取り換えるって感じですが、映画だと本当にザクザク老婆が荒っぽく髪の毛を切っていくわけで…ファンティーヌの哀れさが際立ってました。さらには歯を抜かれるシーンも…。あれは舞台には出てこないのでなんだか見ていてとてもショックだったな。
そしてついには娼婦へと身をを落とすファンティーヌ。絶望の中で最初の客を取った後に♪夢破れて♪が歌われてました。実はこのナンバー、舞台ではファンティーヌが工場を追い出されてからすぐに歌われるんです。なので比較的美しいナンバーに聞こえてくる。ところが、映画だとどん底まで落ちてしまった状態で過去を回想するように歌われるので痛々しいことこの上ありません(涙)。舞台よりも映画のほうが私は泣けました。

ファンティーヌの逮捕~馬車の暴走
嫌味な客に食って掛かり逮捕されそうになるファンティーヌをバルジャンは助けますが、舞台よりも映画のほうがジャベールを意識している様子でしたね。それでもファンティーヌを助けるわけですが、彼女を抱きかかえたときにコゼットのことを聞きだしてました。舞台だとこの場ではコゼットのことについてあまり関心がないように見えるバルジャンですが、映画だとかなり詳細にコゼットのことを知ろうとしているのが伝わります。この後バルジャンは森でコゼットを発見しますが、なぜその場所に行ったのかが映画だと分かりやすくなっていますね。
暴走する馬車におしつぶされたフォーシュルバンを助けるシーン。舞台だと短縮される前はけっこうじっくりやってたんですけど短縮されてしまってからは潰された人をバルジャンが助けるっていうだけの場面になってて(汗)。短縮前には「あれはフォーシュルバン」って名前も言ってたのにね。ちなみに助けられたフォーシュルバンは舞台では「あぁ、市長、ありがとう、あなたは聖者だ」って歌うんですが映画ではカットされてました。
この馬車事件でジャベールは市長をバルジャンではと疑いますが、そののちにバルジャンが逮捕されたという報を聞いて市長に謝罪します。この流れは基本的に同じ。

Who am I~裁き
自分の身代わりが逮捕されたことを知ったバルジャンは葛藤します。舞台ではこのシーンも背景が真っ黒の中で展開されるのでバルジャンの心の迷いがより浮き出るように感じられます。映画では何やら荷物の準備をしたりしながら葛藤してましたね。そうすることで、最終的に市長の座を捨ててジャン・バルジャンとして生きようという覚悟が感じられました。
そしてそのまま裁判所へ行くわけですが…自分が囚人番号「24601」であることを高らかに歌い上げたとき、映画では皆何が起こってるのか分からなくてキョトンとした雰囲気になってたのが面白かった。「市長さん、あなたどうかしてしまったのではないですか」と冷静にその場から退席させてたしw。舞台だとものすごい大混乱になってましたから、このあたりの描き方が違うなぁと思いました。ちなみに、バルジャンの囚人番号は日本では「24653」になってます。英語読みと韻を合わせたんですよね。あと裁判長役はアンジョルラス役の人が、裁判員役はマリウス役の人が務めてます。

対決
ビックリしたのが対決シーンです。舞台だとファンティーヌのベッドひとつしかなくて個室のようなイメージがあったんですが、映画だと他にもベッドがたくさん。ファンティーヌの臨終に立ち会ったバルジャンは彼女の最後の願いであるコゼットを育てることを決意するわけですが、そこへジャベールが現れます。ここで二人が激しく対立するんですけど…、他にも患者がいるのに二人とも凶器を手にやりあってる(汗)。めっちゃ危ないだろう!!と見ながら思わずツッコミを入れてしまったw。
ちなみに舞台だとジャベールは警棒みたいなものでバルジャンに対抗してます。映画ではサーベル抜いててビックリしたよ(汗)。対するバルジャンは早い段階で病院の一部を壊して木の棒を手にしてましたが…器物損壊だろう、みたいな(爆)。舞台だと近くにあった椅子をぶっ壊して武器にするっていう演出だったんですけどね。で、最終的には二人とも素手でやりあってバルジャンが勝利するんですが、映画では最後まで素手にならなかったな(汗)。バルジャン、めっちゃ凶暴…って思ってしまったw

宿屋の主人~裏切りのワルツ
映画に出てきた幼いコゼット役の子が作品のシンボルであるあのイラストとかなりそっくりだったのでビックリ。日本だとどうしてもあの雰囲気と似ている子っていうようには見えないので。マダム・テナルディエは舞台だと最近モリクミが基準になっているのか恰幅がいい人が多くなりましたが(笑)映画は意外とスリムだなと思いましたw。森へ行くことを怖がるコゼットに対し、テナルディエの娘のエポニーヌは舞台だと早く出て行けと彼女の背中を押しています。映画ではこのシーンが出てこなかったので、将来的なこの二人の対比というのがちょっと弱いかなと思いました。
宿屋の雰囲気は…いやぁ、映画だとひっどいですね(笑)。よくあんなところに金持ちっぽい人が訪れる気になったと思っちゃったよww。舞台ではただイスと机が並んでてそこに個性的な人々が集まってるみたいな雰囲気だったけど、映画で見るテナルディエの館はものすごい退廃的でビックリしましたw。一番グワッとなったのはやはりミンチを作るシーンですかね。舞台だと変な機械を回してるだけなんですけど、映画では怪しい肉が出てきてましたので(汗)。
その頃、コゼットは森の中でバルジャンと出会います。舞台だとなぜバルジャンがあんな場所にいたのかが謎に思えるんですけど、映画ではちゃんとファンティーヌから居場所を聞き出すようなシーンがあったので不自然には感じませんでした。そしてテナルディエ夫妻を金で黙らせてコゼットを引き取るバルジャン。基本的に舞台と流れは同じですが、映画のテナルディエが何度もコゼットの名前を言い間違えているのは面白かったですw。あと、バルジャンの置いていったお金に対する夫妻の反応が舞台と映画で微妙に違ってたかな。舞台では大喜びしてたけど映画では「なんであれしきの金で満足しちゃったんだよ」とマダムがダンナを叱りつけてさらにたかろうと画策するしーんがありました。映画のマダム・テナルディエ…超コワイよ(汗)。

Suddenly
幼いコゼットと共にパリへ向かうバルジャンが馬車の中で未来に想いを馳せるシーン。ここは舞台には出てきません。舞台だと幼いコゼットに人形を与えた後彼女を抱きかかえ去っていき、そのまま時が流れたパリへと移っていきます。なので、映画でこういった余白の部分が捕捉されたことはすごく良かったなと。このあとバルジャンはコゼットを溺愛していくことになるんですけど、何故彼がコゼットに対してそこまで傾倒していくのかが、このナンバーに込められているような気がして…なんだかものすごく泣けました。
いつも独りで孤独だったバルジャンにとって、コゼットという存在は唯一の希望の光であり救いだったんだなと。ヒュー・ジャックマンの穏やかで幸せそうな表情を見たら思わずこみ上げてきてしまった。
ジャベールから逃げるようにしてたどり着いた場所はかつて馬車でつぶされそうになっていたのを助けたフォーシュルバンのところ。ここで二人は隠れるように暮らすことになっていますね。舞台では描かれなかった余白のシーンでもあります。

乞食たち~星よ
大きく成長したコゼットを連れてバルジャンがパリの街へ施しにやってくるシーンは基本的に同じなんですが、ジャベールが現れた後の展開は映画のほうがスリリングでした。暗い雰囲気のラッセル・クロウが執拗にバルジャンたちを追いかけるわけで、けっこう見ていて怖い。舞台では「逃げちゃったのか、まぁ、泳がせておくさ」とけっこうあっさりしてそのままの流れで「星よ」のナンバーに入るのでけっこう印象が違うなと思いました。
ジャベールの「星よ」はかなり舞台だとビッグナンバーで歌い上げられる場合が多いのですが、映画では比較的落ち着いた雰囲気で歌われてるなという印象。なのでなおさら不気味。ちなみに映画のジャベール、今にも落ちそうなやたら高い危険な場所でこのナンバー歌ってます(汗)。これは、後に対となる「ジャベールの自殺」シーンとの関連性を出すための演出なのかなと後から思いました。

ABCカフェ~プリュメ街
いよいよここからアンジョルラスやマリウスたちが登場。マリウスは演説活動の最中にコゼットに一目惚れしますが、離れた場所からの一目ぼれになってますね。舞台だとエポニーヌを追いかけようとしてコゼットとぶつかった時にビビっとくる演出でした。エポニーヌはマリウスに片想いしてますけど、マリウスにチョッカイ出すシーンは映画と舞台とでは微妙に違ってましたね。難しい本だけど私には読める、とか、その髪が好き、とか、舞台に出てくるフレーズはなかったように思います。
ABCカフェで革命について語り合うアンジョルラス達ですが、映画だと既にぼんやりしてるマリウスがいるw。舞台だとコゼットのことが気になりすぎて会合に遅刻してるんですけどね(笑)。グランテールが酒飲みなのは舞台も映画も同じキャラ。ラマルク将軍が死んだとガブローシュが伝えに来るシーンのニュアンスも映画と舞台ではちょっと違った演出になってますね。
ラマルク将軍の死でアンジョルラスが立ち上がろうと仲間に呼びかけるのは基本的に同じですが、そのあと街に飛び出して仲間を増やそうとするシーンが映画では出てこないのであれっと思いました。舞台だと民衆の歌を歌いながらアンジョルラスやマリウスたちが町を練り歩くんですけど、この後どうするのかなと。そうこうしてるうちにエポニーヌがマリウスにコゼットの居場所を知らせにやってくる。舞台だと行進してる最中に来ることになってるのでマリウスは後ろ髪惹かれる想いでその場所を離れてたんですが、映画だと心置きなくエポニーヌについていってました(笑)。

心は愛に溢れて~ワン・デイ・モア
バルジャンに孤独を告白したコゼットが寂しい心のまま庭に出ます。ここは舞台も映画も同じ。ただ、そのあとのマリウスとの再会シーンの演出がちょっと違う。映画では門を挟んで「心は愛に溢れて」を歌い二人で愛を確かめ合っていましたが、舞台ではマリウスが塀を乗り越えて庭に侵入してコゼットと遭遇してます。ここは舞台版マリウスのほうがかなり積極的(笑)。積極的なんだけどいざコゼットを目の前にすると「君を困らせた」とヘタレモードになってしまったりして可愛いんですよねw。映画ではそういった仕草がなかったのがちょっと残念。
このあとテナルディエたちがバルジャン宅を襲撃しにやってくるわけですが、映画では庭に侵入していないのでそのまま門の外でマリウスは隠れます。舞台だと二人で愛を確かめ合った後に庭の奥の方に行ってしまうんですよねw。エポニーヌの叫び声を聞いて飛び出してきたマリウスはコゼットにエポニーヌを紹介。彼女が助けてくれたとコゼットに引き合わせるわけですが、ここのシーンは役者さんによって表現がいつも変わってました。コゼットを目の前にして動揺するエポニーヌっていうパターンが一番多かったかな。時にはコゼットもエポニーヌに気付いて二人で固まってしまうというパターンもありました。私はこちらのほうがドラマチックで好きだった。叫び声を聞いてバルジャンが慌てて出てくるんですけど、舞台版だとマリウスはこの時ようやく柵を乗り越えて門の外に身をひそめるんですよね。映画ではバルジャンが無理やりコゼットを自分の家の中に引き入れて退去する準備を始めます。
驚いたのは、コゼットと引き離されて憔悴したマリウスを見たエポニーヌがそのまま「オン・マイ・オウン」を歌ったことです。舞台では2幕の初めにバルジャンへマリウスの手紙を届けた後歌われていたので、まさか1幕のゾーンの中にこのナンバーを入れてくるとは思いませんでした。でも、映画では実際にエポニーヌが雨に打たれながら歌っていたのでなおさら切なく感じましたね。舞台でも泣けるんですけど。
ワン・デイ・モアまでの緊迫感は映画のほうがあったな。あと、マリウスが闘う決意をするシーン、映画ではここで赤い旗を手にしていましたが・・・舞台ではラマルクの死を知ったアンジョルラスが赤い旗を手に仲間を鼓舞する演出になってます。あと、ジャベールが学生の動きを探るために変装するシーンは映画よりも舞台のほうが簡潔で分かりやすいかもしれません。グッときたのはエポニーヌが一人で自分の体にさらしを巻きながら歌っているシーン。彼女はこのあとマリウスの傍にいるために少年に扮して革命の仲間に入ります。そこに至るまでのエポニーヌの様子が映画では描かれていたのでかなり胸が熱くなりました。
私はレミゼの中では「ワン・デイ・モア」が一番好きだったりします。この曲は本当に素晴らしい。高揚感の中、舞台ではここで1幕が終わります。

バリケード~恵みの雨
ABCカフェの後に「民衆の歌」が出てこなかったことに不自然を感じていましたが、舞台で言うところの2幕頭に出てきました。しかも、ラマルク将軍の葬列にアンジョルラス達が割り込んで仲間を引き入れていくという、舞台よりもかなりダイナミックな演出に。それにしても、いつもとは違うところで「民衆の歌」が入ってきたのでなんだかちょっとビックリしたな(汗)。人数もハンパなかったしね。さすがは映画。
そのさなか、マリウスの手紙がバルジャンに届けられるシーンがあるのですが…ここは映画と舞台とではかなり違います。舞台ではマリウスが少年と見間違えたエポニーヌにビックリしながらもコゼットへの手紙を託します。マリウスは彼女を戦闘に巻き込みたくないがゆえにこの行動に出るわけですが、エポニーヌはマリウスの傍にいたいがために再び戻ってくる、という流れ。そのさなかに「オン・マイ・オウン」が歌われるわけです。
ところが、映画ではマリウスは少年の格好をしたエポニーヌに何の反応も示さずに普通に振る舞っている(汗)。さらにコゼットへの手紙はガブローシュに託していました。おそらく幼い少年を戦闘に巻き込みたくないという解釈でそうなったのかもしれません。ガブローシュはバルジャンに手紙を託しますが、帰ろうとする彼にバルジャンは町に近づくなと忠告してていました。舞台ではエポニーヌにかけていたその言葉をガブローシュにかけているということになりますね。
バリケードが作り上げられていくシーンは映画ならではの迫力がありました。舞台ではもう最初からバリケードできてて組み合わさるだけだったのでw。映画では学生たちの呼びかけに民衆たちが窓から家具を投げ入れててものすごい光景に!!迫力あったけど、戦いの前に落ちてくる家具のほうが怖いよ、と思わずツッコミ入れてしまった(爆)。でもなんだかリアルですごかったな。あんなふうにしてバリケードができて行ったんだと思うとなんだか感慨深いものがあった。
仲間のふりをしていたジャベールがガブローシュに見破られ学生裁判にかけられるシーンは映画のほうがコワイです。逃げようとするジャベールを舞台ではいとも簡単に捕まえて黙らせてましたが、映画ではフルボッコ状態(汗)。ちょっとジャベールに同情しちゃったよ…。
そのあとエポニーヌの死が描かれるわけですが、ここも映画と舞台とではだいぶ印象が違います。舞台ではバルジャンの元に使いに出されていたのはエポニーヌだったのでそこから戻るときに敵から撃たれて死んでしまうといった演出でした。しかし、映画ではエポニーヌは使いに出されていないので始めからバリケードの中にいてマリウスたちと共に敵と戦っている。その最中、マリウスが敵に狙われて撃たれそうになるのですが咄嗟にエポニーヌが彼を庇い代わりに撃たれて死んでしまうという顛末になっています。これは明らかに、映画のほうが悲劇性が高い(涙)。まさかエポニーヌがマリウスを庇って死ぬという結末になると思っていなかったからショックで涙が出ました。彼女が歌う「恵みの雨」も舞台とは違った悲しみが込められてて切なかった。

共に飲もう~彼を帰して
ガブローシュからマリウスの手紙を受け取ったバルジャンはその内容を読んで動揺します。舞台では手紙を読んだ後にすぐ彼の元へ駆けつけようとする素振りを見せていましたが、映画ではかなり葛藤していたのが印象的です。これまで溺愛してきたコゼットについに恋人が現れたことで、彼女が自分の元から去ってしまう日がとうとう来てしまったのかと狼狽えるバルジャン。まさに花嫁の父の心境ですよね。最初のうちはマリウスのことを敵視するような感じだったんですが、徐々に彼がどんな人物か知りたくなりバリケードへ行くことを決意。このあたりの心情も舞台では描かれていなかった余白の部分なのでとても興味深かったです。
バリケードに入ることに成功したバルジャンは狙撃兵を見つけ手柄を立てたことで学生たちの信頼を得ます。このあたりは舞台と同じ。ジャベールを逃がすシーンも基本的には変わりなかったと思います。カモフラージュで銃を撃った時、ジャベールが死んだことを確信した学生たちが銃でガンガン叩くのは映画では出てきませんでしたが。
そのあと、学生たちにしばしの休息が訪れる。酒を飲みかわしながら歌う学生のシーンですが、ここ、舞台ではアンジョルラスとグランテールの関係性が一番感じられるところなんですよね。しかしながら映画ではグランテールの「死など無駄じゃないのか」って歌うシーンがクローズアップされなかった為、あまり二人の対比が感じられなかったのが残念。舞台では「死が無駄じゃないのか」と革命に対し疑問符を投げたグランテールの元にすごい勢いでアンジョルラスがやって来て、彼が差し出す酒ではなく他の仲間が差し出した酒を飲みその考えを否定するんです。でも、去り際にアンジョルラスはグランテールに寂しい背中を見せる。ここまで学生たちを引っ張ってきたカリスマ学生のアンジョルラスも、実は心の底では死への恐怖があるのかもしれないってことを感じさせます。私は舞台で展開されるこの二人の微妙なやりとりが好きだったんですよね。それが映画では出てこなかったことが残念。
「死んでもいいさ」と歌う青年がマリウスだと気付いたバルジャンが彼を想い歌う「彼を帰して」はとても感動的でした。ここのシーンはどちらかというとバルジャンのマリウスに対する心情にクローズアップしているなという印象ですね。

苦悩の夜明け~下水道
夜が明けて民衆たちが助けに来ないことを知る学生たち。ここは映画も舞台も同じですが、映画だと部屋の窓を次々と閉ざしていく民衆の様子も描かれていてなんだか余計に物悲しさが漂っていました(涙)。
攻撃が始まると銃弾が足りないことに気づきガブローシュが敵の死体から弾を取りにバリケードの外に出て撃たれて死んでしまいます。ここの流れも舞台と映画はほぼ同じ。舞台だと撃ち手の姿が見えませんが、映画だとハッキリと映されているので、最初の攻撃は威嚇だったのだということが分かります。しかしそれにもめげずに挑発してくるガブローシュに敵は思わず彼に向かって引き金を引いてしまった。撃った方も後味の悪い出来事だったことが伝わりました。ちなみに舞台ではガブローシュは傷つきながら必死で集めた弾を入れたカバンをバリケードの上の仲間たちに投げようとするのですが、映画ではそれすらできないまま死んでしまった…。まぁ、舞台でも投げてもバリケードまで届かないことのほうが多いんですけどね。
ガブローシュの遺体は学生の一人が出て抱きかかえながらバリケードの中に運んできます。舞台ではそのままだったのでなんだかちょっと救われたような感じ。その死にショックを受けた学生たちは自分たちも死ぬ覚悟を固めます。このあたりの必死感は舞台のほうが感じられたかな。マリウスが撃たれてしまうシーンは舞台だと弾を取りに行く途中ってことになってましたが、映画ではバリケードの中にいてそのまま撃たれちゃった感じ。それに気づいたバルジャンが必死に地下へ運ぼうとするシーンは同じですが、映画のほうがやたらリアルな描写でドキドキしました。舞台だと戦闘中ではなく戦闘が終わった後に息のあるマリウスを抱えて舞台下にもぐってく演出ですからね。このあたりがちょっと違うかな。
バリケードが陥落するシーン、戦闘はやはり映画のほうが迫力あります。リアルで痛々しい。演出的に違うのはアンジョルラスとグランテールが死ぬシーンですね。舞台では傷ついたマリウスを見て死んでしまったと絶望したアンジョルラスが武器ではなく赤い革命の旗を振りながら自ら撃たれて死んでいく。それを見たグランテールも発作的に彼の後を追うように酒瓶を振り回して撃たれて死んでいきます。それに続いて他の学生たちも奮闘虚しく死んでいくんですよね。バルジャンもそれと同じタイミングで肩を撃たれ気絶します。しかし、映画では学生たちが死んでいって最後に残されたアンジョルラスとグランテールが建物の2階に行き、そこで無抵抗のまま撃たれ死んでいくという演出になってました。舞台で印象的なアンジョルラスの後ろ反りの死にざまがバリケードではなく建物の2階からという演出だったのはビックリ!見てる方が怖い(汗)。

ジャベールの自殺~カフェソング
下水道に逃げ込んだマリウスを背負ったバルジャンは疲れからその場に倒れてしまう。ここは基本的に同じですが、映画で見る下水道はそれはそれは汚い水で(汗)。あんなところに倒れるだけでもゾッとしちゃうよ…。そこへ流れてきた遺体からお宝を次々に盗んでいくテナルディエが出てきます。舞台では下水道でのテナルディエのソロナンバーがあるんですが、映画ではまるまるカットされてセリフのみになっていたのが意外です。マリウスの指輪を盗むシーンはクローズアップされてましたね。ちなみにテナルディエに気付いたバルジャンは映画では彼を脅しマリウスを背負って立ち去りますが、舞台では気が付いたバルジャンを見てテナルディエはそそくさと逃げ出してます。
マリウスを背負って彷徨い歩くバルジャンの様子は舞台よりもやはり映画のほうがリアルでスリリングです。バルジャン、顔が泥で真っ黒になってますし、服もボロボロ。舞台ではけっこう小奇麗な格好ですからねw。そんなところにジャベールが登場するわけですから…映画版はもうサスペンスまっしぐら。舞台だと光の当て具合で緊迫感を表していてそれはそれでいいんですけどね。
ジャベールはバルジャンのマリウスを助けたいという必死の形相に根負けして初めて彼を自らの意思で逃がしてしまいます。そんな自分が許せなくて、ジャベールは自ら命を絶つ。舞台だとセーヌ川の橋の欄干を乗り越えて高らかに歌い上げながらジャベールは水の渦に飲み込まれていきますが、舞台では橋ではなくて渦を巻いてるセーヌ川の上にある壁みたいなところを歩いてます。しかも、かなり淵の部分を歩いてるのでまるでサーカスのよう。この演出はおそらく、「星よ」のシーンと対比させてるんじゃないかと思いました。あの頃の執念と、今の絶望。同じようにギリギリの淵を歩いていてもジャベールの心境は変わっている。飛び込むシーンは迫力満点で・・・あれに飲み込まれたら死ぬよなって納得いく映像になってました。
仲間を失ったことに自責の念を抱いたマリウスが哀しみの中歌う「カフェ・ソング」。ここは舞台と基本的に同じですが、映画ではマリウスが歌っているときに仲間の霊が現れなかったことがちょっと残念でした。

マリウスとコゼット~バルジャンの告白
今回、私が映画『レ・ミゼラブル』を見るにあたって一番気になっていたのが実はこのシーンです。ここが出てくるまで正直、なんか、妙に緊迫してまして(苦笑)。
自分を助けたのが誰なのかと混乱するマリウスを優しく励ますコゼット。そんな二人の姿を見てバルジャンはもう自分の入る隙はないと悟ります。ここは映画も舞台も泣けました。舞台と違っていたのは、その場所にマリウスの祖父がいたこと。傷ついたマリウスを看病していたのは彼のおじいちゃんだったようです。原作には出てくるんだろうけどすっかり忘れてた(汗)。
そしてマリウスはバルジャンに感謝の気持ちを込めて「あなたは二人の父です」と語ります。ここからです!それを聞いたバルジャンの言葉…ちょっと期待したけど…舞台と同じだった(涙)。あぁ、たぶん、新演出になってもそのままなんだろうなと希望を捨てました。短縮される前、バルジャンはマリウスにこう語るんです。
「もう言うな、マリウス。愛する息子よ。わしも話そう、恥に満ちた物語を。君だけには話しておこう。コゼットにさえ聞かせていない…哀しい想いをさせる話だ。昔だ…」
というフレーズが入ってたんです。ここの旋律がまた哀しく美しく、私はいつもここで大号泣してた。それが舞台のみならず映画でもカットになってたので・・・なんか変に力が抜けてしまった。
ただ、映画版の唯一の救いだったのが・・・「もう何も言うな、息子よ」と訳されていたこと。マリウスのことを息子と呼ぶことに大きな意味があると考えているので、あそこの訳は嬉しかったです。舞台だと「もう言うなマリウス、話があるのだ」と異様にそっけない対応なので(苦笑)。ここの部分、新演出でなんとか変えてくれないだろうか。

結婚式~エピローグ
舞台ではバルジャンがマリウスのもとを去ってからすぐに結婚式シーンになりますが、映画ではマリウスがコゼットにバルジャンが旅に出たことをちゃんと伝えている場面が描かれてます。これがあることで次の結婚式までのシーンが違和感なく見れますね。それから、バルジャンが馬車に乗って遠くへ旅立とうとする場面も描かれていて、なおさら切なさが増しました。
結婚式シーンでテナルディエ夫妻が妙な格好で乱入してくるシーンは基本的に同じです。ただ、マリウスが自分を救ってくれたのがバルジャンだと気が付くところは映画のほうがより詳しく描かれてます。まずはテナルディエがマリウスの指輪をしている時が付くシーン、これは舞台にも出てきますが映画では盗まれるシーンがクローズアップしていたのでより分かりやすくなってます。このあと舞台だとマリウスはテナルディエ夫妻に持っていた金を投げつけコゼットを連れてバルジャンのもとへ行こうとするのですが、どうやってその場所を知ったのかが謎だったんですよね。それが、映画ではマリウスがテナルディエを脅してその場所を聞き出しているシーンが出てきた。その上でコゼットを連れて立ち去っているのでとても分かりやすくなっていると思います。
バルジャンが最期を迎えようとしていた場所は教会。舞台では死の間際に自分が変わるきっかけとなった銀の燭台に火をつけるシーンがあるのですが、映画ではただ静かに死を待つ老人として存在していました。そこへファンティーヌの霊が現れるのは舞台と基本的に同じ。駆けつけたマリウスとコゼットに手紙を託そうとするシーンも同じで泣けるんですけど…、死の間際に娘に最期の愛情を注ぐといった点では舞台のほうが感動できるなと思いました。
ラストシーン、舞台と違うのはバルジャンを迎えにくるのはファンティーヌだけだったこと。舞台ではエポニーヌもやってきてバルジャンを天の道へ導くんですよね。ただ、映画ではバルジャンとエポニーヌの接点がほとんど皆無に近かったので、ここに出てこなかったことは自然だったなとは思います。ちょっと何かが欠けてるような感じで寂しくはありましたが(苦笑)。
最後に「民衆の歌」を亡くなった魂と共に歌うシーンは、映画ならではの感動がありました。あの大行進した場所にみんなが集まっている映像は圧巻の一言。素晴らしかったです!


と、長くなりましたが(汗)私は映画版を見ながらこんな風に勝手に比較しておりましたw。思い切り泣けなかったのはそのせいではないかと…。
映画版はどちらかというとバルジャンの生涯に思いっきり視点を置いた形になってますね。舞台はどちらかというと群像劇といった色合いが強いので、アンサンブルの役者さんたちにもファンが付くことが多いです。映画ではその部分が弱かったので、レミゼに出てくる学生ファンの人が見たらもしかしたら物足りなく感じるんじゃないかなと思いました。クローズアップされてるのはアンジョルラスとグランテールくらいですしね。その二人の関係も結局ちょっとぼやけててあまり重要視されてなかったようだし。

ただ、映画には映画の・・・舞台には舞台の良さがあります。今年上演される新演出でまた印象が変わると思うので舞台も楽しみです。もうあのシーンについては…あまり深く考えないようにしようと思います(苦笑)。それを考えると感動できなくなっちゃうので(汗)。

以上、やたら長いレミゼ比較でした。ちょっとすっきりしたw。


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Author:えりこ
★1973.5.16生 大雑把なO型
★丑年牡牛座
牛三昧で牛的性格
★趣味は舞台観賞
(特にミュージカル)
◎基本的にミーハーですw

★特に応援している俳優さん
合田雅吏さん、加藤虎ノ介くん、大沢たかおさん、葛山信吾さん、瀬戸康史くん、中村倫也くん、間宮祥太朗くん、大泉洋くん、内田朝陽くん、井浦新さん、北村一輝さん、堺雅人さん、大東駿介くん、田辺誠一さん、宅間孝行さん、ジェラルド・バトラーさん
★特に応援している舞台俳優さん
片岡愛之助さん、飯田洋輔くん、福井晶一さん、泉見洋平さん、宮川浩さん、畠中洋さん、渡辺正さん、北澤裕輔さん、岡田浩暉さん、石川禅さん、石丸幹二さん、鈴木綜馬さん、光枝明彦さん

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レント
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魂の歌声とはまさにこのこと!今を生きることの大切さが伝わります

オペラ座の怪人 通常版
オペラ座の怪人 通常版

ロイドウェバーの美しい音楽の世界を堪能。これ絶対おすすめです!

エリザベート ウィーン版

来日公演の感動をぜひこの一枚で!

ドリームガールズ スペシャル・コレクターズ・エディション (CDサイズ・デジパック仕様)
ドリームガールズ スペシャル・コレクターズ・エディション (CDサイズ・デジパック仕様)

オスカーを獲得した新人女優J.ハドソンの歌声は圧巻です<

キャッツ スペシャル・エディション
キャッツ スペシャル・エディション

現在劇団四季公演中のCATSを観れない方、このDVDでも楽しめますよ♪

レ・ミゼラブル -1995年10周年記念コンサート-
レ・ミゼラブル -1995年10周年記念コンサート-

世界のレミゼをこのDVDで堪能してください!

ミュージカル 星の王子さま
ミュージカル 星の王子さま

白井晃演出のミュージカル再演バージョンです。個人的には宮川さんがオススメ♪

ノートルダムの鐘
ノートルダムの鐘

日本語吹き替えは当時劇団四季に在団していた役者さんです。退団した人も多いので貴重な一枚かも!

アナスタシア
アナスタシア

曲がとにかく素敵です。日本語吹き替えで石川禅さんがディミトリ役を熱演してます♪

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