8月にはポプランを主人公にした外伝も決定しているようです。年末までにもう一本あるかも?しかしながらこの8月の外伝…キスマイから二人が参戦するらしく…チケット取れるんだろうか!?しかも劇場が天王洲銀河劇場という比較的小さい箱なだけに不安(汗)。キスマイは個人的にジャニ系の中では好きなグループなんだけど…まさか銀英伝に来るとは思わなかったなぁ。一応先行にはエントリーしたけど…銀英伝舞台全制覇を夢見ている私としてはちょっと心配だったりします。
昨年秋に上演された帝国軍外伝のオーベルシュタイン篇は先行で取った割には席があまり良くなかったのですが、今回は意外と見やすい席で始まる前からワクワクしていました。・・・が!!
前に座っていたカップルの、まぁぁぁ・・・落ち着きのないことったらないですがな!!しょっちゅう二人でくっついて何やらこそこそ話している。それが視界にモロ入り込んでしまい集中しようにもできない状況になることが多々あり(汗)。何度椅子を蹴っ飛ばして二人の頭を叩いてやろうと思ったことか(怒)。2幕途中で女が寝てくれた時には助かったよ、まったく…。
さらに後ろの席には60代くらいのご婦人が並んで座ってて…。なぜか比較的客席に多かったんですよね、ご年配の婦人が。正直、この人たちは銀英伝見て分かるんだろうか?って思ってしまったくらい(苦笑)。で、1幕のクライマックスにシェーンコップが出てくるんですが…その瞬間から急に何やら後ろが騒がしくなった。それで悟りました、
と。皆さん、松井誠さんがお目当てだったんですねw。もう、登場するたびにウズウズしていたらしくけっこう大きな声で話し始めてるわけですよ(苦笑)。あのですね・・・これ、大衆演劇じゃありませんから。出てきて嬉しい気持ちは十分に分かるけど、話したいなら外に出るか終わった後に存分に語ってもらえますかね(怒)。
そんなわけで、せっかくの良席だったわけですが周囲に恵まれずちょっと残念な観劇になってしまいました…。DVDの予約をしたので、後日こちらをゆっくり見直そうかと思います(苦笑)。
特にスパルタニアン出撃のシーンがとても印象深かったです。舞台上の大スクリーンにはまるで見ているこちらが実際に敵と戦っているかのような臨場感ある映像が映し出されてドキドキワクワクの連続!大スクリーンでテレビゲームしているような感覚。敵機を撃墜するシーンはスパルタニアンのパイロットたちが殺陣で応酬するという動きのある演出もよかった。銀英伝が舞台化するにあたりどのように戦闘シーンを表現するのか気になっていましたが、色々な表現方法があるものですねぇ。
セットは広い舞台全体を余すところなく使っていて艦隊シーンではその内部の大きさがとてもリアルに伝わってきました。トリューニヒトの演説シーンの演出も上手かったです。全体的にとてもエンターテイメント性の高い舞台になっていて見応え十分でした。
今回のストーリーは
アスターテ会戦からイゼルローン攻略あたりまでが描かれていました。冒頭でヤンがパエッタから指揮権を任されるところからスタート。
たしかアニメではこの時負傷しながらもヤンに協力していたのはアッテンボローだったはずなのですが…舞台では
ラオ少佐のみの登場になっていました(汗)。アッテンボローは13艦隊誕生のときに初登場していたので、舞台版ではアスターテにいなかったことになるのかな。私がそもそも銀英伝を最初に見るきっかけになったのはアッテンボローが好きだったからというのがあるわけで
(当時、アッテンボロー役の井上和彦さんの大ファンだったw)、彼の出番がここでなかったのは個人的にちょっと残念に思ってしまった。
このあとにオープニングの群舞があるわけですが、カッコいいんだけど…ちょっと
長いとも感じたかなぁ。…っていうか、銀英伝のことを全く知らないで見ると意味がよく分からないかも(汗)。帝国の圧政に苦しんだ民衆がアーレ・ハイネセンを従えて新天地を目指す歴史を表現していましたが…ハイネセンが倒れた後に
「ある男」というのが登場します。
で、突然、
ラップが始まるんですよね(汗)。その声に導かれて再び民衆は力を取り戻していくっていうのを表現していたようですが…ちょっと、銀英伝の世界にラップは合わない気がするんですよ。正直、観ていてものすごい
違和感感じてしまったし(苦笑)。まぁ、「ある男」の出番はここで終わったのでよかったんだけど…。
私は銀英伝を主にアニメで親しんできたのでなおさらかもしれません。アニメの銀英伝の音楽はほとんどがクラシック音楽なので。これほどクラシック音楽が似合うアニメは他にないだろうってずっと思っているので(銀英伝がきっかけでマーラーが好きになったほど)…そこに違う分野の音楽が入るとなんか馴染めなかったんですよね。
ちなみに、舞台版銀英伝の音楽はクラシック音楽ではなく
三枝成彰さんのオリジナルです。こちらは壮大な音楽で世界観に合っているので好きです。
アスターテ会戦の悲劇といえば、ヤンの親友だった
ラップの戦死です。今回はこのエピソードが中心になっていました。士官学校からの親友だったヤンとラップはジェシカという女性に同時に恋をしますが、ラップがジェシカに夢中になっているのを知りヤンは身を引いてしまいます。この三角関係がなんとも切ないんですよね…。
ヤンはついにジェシカに告白することはなく、ラップの応援をし続けて…やがて彼はジェシカと婚約する。ジェシカは実はヤンに想いを寄せていましたがその気持ちを言い出せないままラップと生きていく道を選ぶ。その婚約期間中に召集され、
ヤンは生き残りラップは戦死してしまうわけです。このラップの死の原因が上司に恵まれなかったからというのがなんとも切ない(涙)。ヤンも上司には恵まれていなかったけれど不幸中の幸いで上司が負傷したために思い通りの戦術で生き残ることができた。
ラップが戦死したことによってヤンもジェシカも運命に翻弄されていきます。
もともと歴史家になりたかったのに親の言いつけに従い渋々軍人の道を進んでしまったヤンは、アスターテで勝利したことで英雄視されてしまい、さらに艦隊を任されることになる。これが
第13艦隊。その幹部として
アッテンボローや
パトリチェフ、
ムライ、いわくつきの
シェーンコップ、そして
フレデリカが出てくるわけです。さらには傭兵として
ポプランや
コーネフも加わり賑やかになる第13艦隊。アッテンボローがやたらイケメンなのには驚いた(笑)。あと、金澤さんがパトリチェフにドンぴしゃりすぎて笑ってしまったww。大澄さんのムライは気難しそうな雰囲気が出ていてなかなか良かった。キャゼルヌ先輩もちょくちょく出てくるのですが、アッテンボローの紹介のときに
「アッテンぼーろぼろ」と寒いギャグをかまして失笑を誘ってました(笑)。
彼らに任された任務はイゼルローン要塞の攻略。ローゼンリッターをうまく使うヤンの作戦が功を奏して見事にイゼルローンを占拠したヤンはこの仕事を最後に退役しようと考えていましたが、シトレ元帥から
「13艦隊の皆はどうなるんだ」と追及されて言葉が出ず、結局軍人の道を進むことになってしまいます。
戦争の愚かさを身に染みて知っているヤンは、自分の意に反して軍人の道に進まなければいけない運命に苦しみます。脳裏をよぎる、ラップとのひと時。ヤンが悩むたびにラップとの思い出のシーンが出てきますが、これがちょっと
唐突に映ってしまった(汗)。銀英伝のことを全く知らない人が見たら混乱してしまうかも?もう少し「間」が欲しかった気がします。
ちなみに、ラップがジェシカにプロポーズするシーンがあるのですが…この時のやり取りはコミカルで面白かったです。野久保くんの特性が生かされてるなぁと微笑ましく思ったりしてw。
一方のジェシカはラップ亡き後政府に怒りを向けるようになり、戦没者慰霊祭で得意顔になってきれいごとを演説していたトリューニヒトに真っ向から非難します。
「あなたは今、どこにいます!?」このセリフはアニメでも印象的だったんだよな。何万もの人が戦場で死んでいる中、トリューニヒトのような保身に明け暮れのうのうと生きている政治家が許せなかったジェシカ。
そのことが原因でトリューニヒトの取り巻きでもあった
憂国騎士団から命を狙われるジェシカ。ちなみに人数こそ少なかったものの、実際に舞台で憂国騎士団が出てきたのはけっこう嬉しかったかもw。そんな彼女のことをヤンは何かと助けていきます。ちなみにヤンも演説で拍手しなかったからということで憂国騎士団にねらわれてましたw。アニメではヤンは演説に出席しないでテレビ観覧だったんですけどねww
←ジェシカを助けたことで襲われる展開になります。
そののち、ジェシカは反戦運動を統率するリーダーになります。苛烈を極めていく彼女の反戦運動。ヤンに対して
「あなたを恨みには思わないけれど、あなたがやっているのは戦争でしょう」と言うジェシカのセリフは舞台でもぐさりと来ますね…。愛するジェシカから投げつけられたこの言葉に悩みを深くするヤン…。板挟み状態で苦しんでいるシーンは切なかったです。
それでも、仲間たちの言葉に支えられてヤンはまた軍人として前を向いて生きていく決意をします。最後にフレデリカに向かって
エルファシルの混乱のときに自分は何と言っていたか尋ねるシーンが印象的でした。アニメよりもなんだかとても意味のある希望のあるシーンになっていた気がします。若き日のヤンがコーヒーを持ってきたフレデリカにかけた言葉は
「紅茶のほうがよかった」…って。
そしてエンディングになるわけですが、ジェシカのその後は描かずに希望が色濃く残るようなシーンになっていました。河村隆一さんが作ったというテーマソング
「Searching for the light」はとても感動的でした。キャスト全員が歌ってて、敵役であるトリューニヒト役の井田さんもちゃんと加わってましたw。
ちなみに、ジェシカはあのあと、とても哀しい最期を迎えます…。私はそのシーンのガヤを入れるイベントにかつて参加したことがあるんだよな。銀英伝発売イベントみたいなやつに友達と行って、同盟の国歌とかシーンのガヤ入れとか色々体験したのを懐かしく思い出します。
さて、今回ヤン・ウェンリーを演じたのはLUNA・SEAのリュウイチこと
河村隆一さん。最初に彼がヤン役に決まったと知った時には正直、まったくイメージに当てはまらなかったのでものすごく違和感を覚えたんですよね(苦笑)。ヤンのイメージで浮かんでいたのは堺雅人さんのようなタイプだったので…。河村さんにヤンができるのだろうかと、この日を迎えるまで思っていました(汗)。
ところが、ふたを開けてみれば…
舞台の上にちゃんと、ヤン・ウェンリーが存在しているじゃないですか!しかも、声がアニメの富山敬さんの感じと似ている。銀英伝の大ファンだという河村さんだけあって、ものすごく熱心に研究されたんだなぁと思いました。富山敬さんの声は本当に完璧でしたからね、ヤンの雰囲気に。キャラクターの終焉と合わせるようにこの世から去ってしまった富山さんだったので、ヤン・ウェンリー=富山敬という印象がさらに強い。その精神を大切に引き継いでいるなと感じました。
「頭をかいてごまかすさ」ってセリフの言い回しとか似てたもんなぁ。間の取り方とかセリフのテンポもよく研究されてたと思います。ただ少しキザっぽいかもって感じることもチマチマありましたけどw。
ただ、隆一さん、ちょっとむくみましたかね(汗)。いや、ちょっと・・・最近・・・ね。まぁ、ヤンとして観る分には違和感なかったからいいんですけど。
馬淵さんのジェシカは凛とした強さがあって素敵でしたし、
野久保くんのラップはちょっとヘタレな感じでwそれでも憎めない真っ直ぐな好青年の雰囲気がよく出てた。
中川アッキーのポプランはアニメ以上にヤンチャ(笑)。いやぁ・・・
ものすごく自由でしたww。夏には彼が主人公の外伝が上演されるようなのでぜひ見てみたい。
それから、
井田さんのトリューニヒトがすごい迫力あったなぁ。久しぶりに井田さん見たけど、嫌味な感じとか出すのがやはりうまいです。アニメよりも眼光鋭く只者ではない感を漂わせていました。シトレの
西岡さんは途中でセリフがなかなか出てこなくなり手に汗握るシーンがありましたが(汗)何とかうまく切り抜けてました。ドッシリとした存在感はさすが。ヤンに年齢のことでからかう時
「42くらいに見えたよ」ってアドリブ飛ばして客席の笑いを誘っていたのも面白かったww。
あと、コーネフがえらいイケメンだったw。
中村誠治郎くんか!八犬伝でも見たな。
桑代くんのユリアンはまだ初々しい雰囲気がありますが少年らしさが出ていてよかったです。最後にヤンから軍人になることを許されるシーンが印象的でした。シェーンコップの
松井さんはなんだか雰囲気がちょっと
演歌ちっくw。もう少し遊び人っぽい雰囲気も出してほしかった気がしますが、殺陣シーンはさすがでしたね。
天宮さんのキャゼルヌもよかったです。
「おまえさん」って呼び方がなんともらしくていいww。
ワンシーンしか出てこなかったけど、ヒステリーの
アンドリュー・フォークを演じた樋口君もとても印象的でした。神経質なところがよく表現されてた。フォークはこの先キーマンになるわけですが…そうなると地球教も出てきたりするのかな…とかいろいろ気になるところです。
この銀英伝舞台シリーズはいつまで続くんだろう。このさき、桃李くんのラインハルトと隆一さんのヤンが同じ舞台に立つ展開が出てくるのだろうか。なんとしても全シリーズ見届けたいものです!
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