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世田谷パブリック劇場で上演されている『ベッジ・パードン』を観に行ってきました。
この作品は三谷幸喜さんの生誕50周年記念企画の一環で、舞台としては3本目の新作になります。本当に三谷さんにとって今年は激動の年になりそうですね(←いろんな意味で 汗)。映画・舞台・本・ドラマで合計7本の新作を1年間に披露する・・・ってまさに神業!?

さて、この『ベッジ・パードン』。上演が決まった瞬間からもうどれだけ心待ちにしたことか!三谷作品に野村満斎さんと大泉洋くんが夢の共演ですよ!!!仮チラシの名前を見た瞬間からテンションが激上りしたのを覚えています(笑)。それと同時に大きな不安もありまして…チケットが無事に確保できるかどうか・・・。
ただでさえ三谷さんの舞台作品はチケットを確保するのがものすごく困難なのに、萬斎さんや洋ちゃんだけでなく深津さん、浅野さん、浦井君といった人気役者が勢ぞろいしている・・・想像するだけでもゾッとするような競争率なわけです。それでも、この舞台は何っとしても観たい!
この気合が実を結んだおかげでしょうかww、参加した先行が奇跡的に2つ引っかかりまして2度行ける事になりました。その1回目がこの日。私と同じくものすごく心待ちにしていた観劇友達もご一緒のソワレ公演。

始まるのが19時と遅かったので全て終わった時には22時を回っていましたが(汗)、そんなことよりも終わった後のものすごい充足感のほうが勝ってたなぁ。いやぁ、マジ、面白かったです!!!前に観た「ろくでなし啄木」よりも個人的には好きな三谷作品になったかも。
今年上半期で観てきたストレートプレイの中でもピカイチ級に素晴らしい作品だったと思います。これはDVDが発売されたら絶対買うなぁ~。あ、もちろんWOWOWで放送予定もあるみたいなのでそちらもチェックしますけどw。


出演者
夏目金之助:野村萬斎、アニー・ペリン:深津絵里、畑中惣太郎:大泉洋、グリムズビー:浦井健治浅野和之

※浅野さんだけ役名が書けないのはネタバレになるからでもあります(汗)


月末にもう一度行く予定なので、今回は少し軽めの感想になりますが・・・ネタバレも含んでいますので追記へ書きます。




今回の舞台、私は前もってほとんど知識をいれずに観に行きました。分かっていたのは、若かりし日の夏目漱石がイギリス留学した時の物語っていう事くらい。
夏目漱石がまだ「金之助」と名乗っていた時代の話。全体的にはフィクションですが実際に彼はイギリス留学をしていましたしその当時の日記も残されています。その日記の中に度々登場してくるのが「ベッジ」という名前。金之助が留学時代に下宿していた先の小間使いだった女性のあだ名だそうです。
今回のストーリーは、「ベッジ」と呼ばれた彼女と金之助、さらにはその周囲の人々のエピソードをいくつか織り交ぜたものになっています。

ちなみに、「ベッジ」というのは「I beg your pardon?」という言葉の略。ベッジと呼ばれた女性の本名はアニー・ペリン。彼女は度々「I beg your pardon?」つまり"(よく分からなかったので)もう一度お願いします"という言葉を金之助にかけていたそうですが、彼にはその言葉が「ベッジ・パードン」(本来はアイ・ベッグ・ユア・パードン)という音に聞こえたんだとか。
そんなわけで、あるときから金之助はアニーのことを「ベッジ」と呼ぶようになったようです。実在する日記にも何度もこの名前が登場するらしいですね。

舞台は終始金之助の下宿部屋で展開していきますが、当時のイギリスを感じさせるようなセットで素敵!さらには幕の上げ下げで外壁を出したり上げたりといった工夫もあって、場面転換がないにもかかわらず色んな表情が見えてきて視覚的にもとても楽しめました。
下手側にはちゃんと下と上に通じる階段があって、けっこう細部までリアルに作りこんであるのも印象的でしたね。主に役者さんたちの出と入りに階段が使用されていたわけですが、舞台袖に引っ込んだというようには見えませんでした。そこにリアルな日常生活が存在している感じ。
さらには上手にもちゃんと物語に通じる扉が存在しているし、観劇してる私達は舞台ではなく、本物の金之助の下宿部屋を観察しているような・・・そんな気持ちにさせられました。

この部屋の中で色んなエピソードが展開していくわけですが、神経質な金之助が日本人らしく「靴を脱いで」と入ってくる人々に頭を下げていたのがとても印象的。
イギリスでは靴を脱いで部屋に上がる習慣がなかったのではじめはみんな戸惑って恥ずかしがってるんですけど、後半になるとちゃんと入り口で靴をみんな脱いでる(笑)。その"靴"をめぐる面白エピソードもちゃんと挟んであるところが三谷さんらしいなと思いましたw。

舞台が始まるとすぐにある音楽が流れてきます。それは、ミュージカル映画のマイ・フェア・レディ冒頭部分で流れているナンバー「Wouldn't it Be Loverly?」。最初これを聞いた時に"なんでマイフェアレディが流れてるんだろう?"と不思議に思ってしまったのですが、ストーリーが進んでいくうちにその意味が見えてきます。
「Wouldn't it Be Loverly?」は下町育ちのためにコックニー訛りが酷いイライザが花を売り歩く時に歌われるナンバー。彼女は訛りなんか気にしていないし、貧しい状況にあっても明るい笑顔を振りまきながら楽しそうに歌を歌っています。
この状況が、『ベッジ・パードン』に登場してくるアニーとものすごく重なる。アニーもイライザと同じくコックニー訛り。どんなに家主にけなされても明るく逞しくテキパキと仕事をこなしていく姿はイライザとよく似ています。劇中に何度もアレンジを変えて流れてくる「Wouldn't it Be Loverly?」はつまりはアニーのテーマ曲でもあり、この物語の主題とも思えてくるんですよね。

マイフェアレディではこの歌を歌っていたイライザがやがて言葉の先生であるヒギンズ教授と出会い、成長し彼に恋心を抱くようになります。『ベッジ・パードン』のアニーが金之助と出会うシーンとも重なるものを感じますが、彼はアニーに言葉を教えるといった上から目線的立場ではなく対等の立場で接しようとします。アニーと出会ったばかりの金之助が「君とはなぜか会話が進むような気がする」と語りかけるのですが、それに対し彼女は
「それはあなたが私を下に見ているからだよ」
と笑いながらアッケラカンと答えるシーンがありました。このセリフがものすごく個人的にグサッときてなんだかとても切ない気持ちにさせられましたね…。金之助もこの言葉にものすごい衝撃を受けて「そんなつもりで言ったんじゃない」と言いながらも図星を突かれたような気持ちにさせられる。
だからこそ彼は、アニーとなるべく対等の立場で接しようとしたんじゃないのかなって思いました。そして徐々に心惹かれていく・・・。このあたりからの展開がマイフェアレディとは違うところですね。

そのほかにも本当に面白く、さらにはグッとくるシーンがいくつも登場するのですが・・・今回は割愛。2回目の観劇の時にできればいくつか書けたらと思います。
そんないくつものエピソードが後半になってある衝撃の事実とぶち当たっていく。このあたりの繋ぎが実に巧い!夏目漱石はイギリス留学中に神経衰弱となりついには引きこもり生活のような状況へ陥っていったそうですが、そこに至るまでのフィクションとは思えないようなストーリー展開が見事です。観ていて、"ああ、だから漱石は心を病んでしまったのか"と納得できてしまうんですよね。
でも、ラストにはそんな荒廃した生活の中に一筋の光がくっきりと差しこまれている。あのラストがあるからこそ、観終わったあとの充足感が得られるんだろうなって思います。
行き当たりバッタリではないちゃんとしたストーリーの組み立てがある作品はやっぱり違う!あの某大河作家に爪の垢でも飲ませてやりたい気分になった(←すげートラウマ 爆)

そして今回さらに素晴らしかったのがキャスト陣!!

主演の野村萬斎さんはこういった現代劇系のコメディ作品は初めてじゃないかと思うのですが・・・とてもそうとは思えない見事な適応力!このストーリーに出てくる金之助は周囲の濃い~キャラクターに比べるとけっこう常識人に近く、テンションがそんなに高いわけではない。下手すると埋もれてしまうようなキャラクターだったと思うのですが、見事に浮かび上がらせていましたね。流石と言うしかないです!
もう、ほんっとに魅力的でした(興奮)!狂言師らしくシャンと背中が伸びているので舞台の立ち姿もすごくきれい。セリフの間も絶妙でコロコロと変わる表情一つ一つが可愛くて面白くて切なくて…本当に最高でした。それに、夏目漱石本人の肖像とよく似ている!?特にラストシーンはドキリとしました。

「ベッジ」と金之助から呼ばれるアニーを演じた深津絵里さん、可愛くって切なくって・・・もう観ているだけで感情が鷲掴みされるような名演技!しかも私、舞台が始まって彼女が登場してから15分近くアニーが深津さんだって気づかなかったくらいですから(爆)。パンフレット購入してましたが、開演前に読んでなかったので、"いつになったら深津さん出てくるんだろう?"とか本気で思ってましたww。それくらい素晴らしかった。
印象的なのは1幕と2幕のクライマックスのアニーの哀しさを表現した芝居だったかな。あれは本当に泣けました…。

イギリス留学の先輩でもある惣太郎を演じたのが大泉洋くん。彼はこれが初めての外部舞台出演なのですが…それが信じられないほどドップリと三谷カラーに染まった名演技っぷり!!三谷さんが洋ちゃんに求めていた芝居を彼はそのまま見事に体現していたんじゃないでしょうか。
ストーリーが始まってからずっとストーリーの中に洋ちゃんらしいキャラを生かした笑いの部分を担当していたのですが、2幕の後半になって驚くべき展開が待っています。あのシーンへ切り替わるところの難しい心情を巧く演じていた姿に思わず拍手です!いやぁ、やっぱり好きだわ~、洋ちゃんのお芝居!
それと、個人的には大好きな野村萬斎さんと絡むシーンがものすごく多かったことが嬉しかった!!二人でヤイノヤイノと言い合ってるシーンなんかは私にとってはまさに至福の時間(笑)。DVDが発売されるようなことがあったらぜひとも二人の素のやり取りなんかを収録してほしいww。

アニーの弟を演じた浦井健治くんは出てくるまでの時間がえらく長くて、途中、もしかしたら彼は出てこないんじゃないかとすら思ってしまった(汗)。で、登場してきた時のものすごい爆発的な扮装にビックリ(笑)。髪の毛爆発してますヤン!そうとうヤンチャなキャラクターでして、悪い仲間に誘われたらホイホイと乗ってしまうタイプ。
とにかく終始ものすごいテンションの高い役柄で、浦井君血管大丈夫か!?とかちょっと思うこともww。ただちょっと今回のメンバーの中ではお芝居がもうひとつかなぁって感じてしまうところもチラホラ…。なんだろう、なんとなく、三谷カラーにうまく染まっていないようなちょっとした違和感を感じてしまいました。

そして、最初に役名を書けなかった浅野和之さん!ネタバレになるから、というのもありましたが・・・実は演じた役名が多過ぎて書けなかったというのもあります(笑)。1シーンで出ている時間帯はそんなに多くないのですが、登場回数がハンパない!!1人11役担当で、歌舞伎役者顔負けってくらいの早替えシーンもあったりします。今回の舞台で一番忙しかったのは浅野さんじゃないでしょうかw。
しかも、彼が演じるキャラクターはたとえどんなに登場時間が短い役柄でもものすごく濃く記憶に残るんですよ!これがすごい!!!11人ともちゃんときっちりした役作りができている。これ、本当にすごいことだと思いますよ。特に拍手ものだったのが警部と極悪人の1人2役シーン!まるで1シーンに2人出ていると錯覚しそうなくらいあの超忙しい早替えの中でちゃんと別人格を演じてた。浅野和之、すごい役者だ!!!
浅野さんがなぜこんなに多くの役柄を演じたのか…これにはある理由が隠されているんですよね。ちゃんと意味がある。そのことについては次に書いていきたいと思います。


2回目は今月末の予定です。たぶんまた今回とは違った景色が見えるに違いない。ますます楽しみになりました!
立ち見になるようですが、当日券も売り出しているようなのでお時間のある方はチャレンジしてみるのもいいかもしれません。


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テーマ : 観劇 - ジャンル : 学問・文化・芸術

ストレート演劇 comments(4) -


コメント

Re: 映画化希望?

龍女さん、初めまして!コメントありがとうございました。

『ベッジ・パードン』本当にいい作品でしたよね。
今までの三谷作品とはちょっと違うテイストで、笑いのなかにも
それぞれのキャラクターへの深い愛情が刻み込まれているようでとても感動的でした。
DVD発売されたら買ってしまうかもしれませんw。
映画でも確かにいけそうですよね!

映画化希望?

初めまして。
観劇リポート興味深く拝見しました。
この作品、三谷作品らしさと今までにない切なさが加味されていて良い作品の匂いがします。
なんとなく映画にしても通用しそうな題材じゃないかと思いました。
私はWOWOWに加入しているので、放映を楽しみにします。

Re: 2回目レポも楽しみです♪

ぁーちさん、こんにちは!コメントありがとうございます。

いやぁ、もうねぇ、期待以上でしたよ!
三谷作品の中でもかなり上位にランキングするんじゃないかなぁと。
萬斎さんがまたイイんですよっっ!そして洋ちゃんも♪
皆さん本当に芸達者ですごく楽しめました。
映像ででも是非一度ご覧になってほしい作品です。

2回目レポも楽しみです♪

萬斎さんと大泉さんの出る舞台、しかも三谷作品とあれば、嫌でも期待が膨らみますね
演出の都合で、カテコが少ないそうですね!
いいなぁ…観たいなぁ…
浅野さんの11役も気になります
WOWOW、契約しようかな(笑)


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