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シアタークリエで上演中のミュージカル『アンナ・カレーニナ』を観に行ってきました。この日はマチネに銀英伝を入れていたので…ハシゴ観劇(爆)。両作品ともけっこう濃厚だったので終わった時にはちょっと疲れが出てしまったかも。

実はこの作品5年前の初演を観ていて、苦労してチケット取った割には個人的にあまり好きなミュージカルではなかったんですよね。ではなぜこんな強行日程を組んでまで観に行ったかというと・・・終演後に葛山さんのトークが聞けるからというミーハー根性ゆえでございます、はい(笑)。初演に続いて再演にも葛山さんが出演されることは知っていましたが、最初は観に行くかどうかはすごい迷ってたんですよね。でも、トークがあるんだったらこりゃ行きたいなと…。やっぱりねぇ、ファンクラブにもひっそり入ってますし、頑張ってる葛山さんは観たかったし、そんなこんなで行くことになったわけです。
それにしても、5年前はものすごくチケット取るのに苦労したこの作品でしたが…今回は間際だったにもかかわらずけっこう楽に入手できてしまいました(汗)。あの時の熾烈なチケット戦線はなんだったんだろうか!?

終演後に行われたトークショーについて少々。

司会は指揮者のシオタクターこと塩田さん。今回も枕詞のように「ヤマザキホウセイでございます」とご挨拶してましたがな(笑)。トーク参加者は一路さん、山路さん、葛山さんの3人。皆さん舞台が終わった直後ということで最初はなんだか魂が浮いてるみたいな感じでした(特にヘヴィな役を終えたばかりの一路さんは魂が抜けた感じになってたな 汗)。塩ちゃんがやたら高いテンションで頑張ってた(笑)。
トークは塩田さんが各々に質問していって膨らませるみたいな形式。だいたい20分強くらいだったかな。

まずは3人とも再演組ということで初演との違いなどについて

葛山さん
初演の時はミュージカル初参加だったのですごく緊張しつつも歌が好きだったので楽しく演じられた。再演に当たって初演のDVDを観るべきかどうか迷ったけれども結局一度も観ないまま今日に至ってる。でも演出の鈴木さんからは相変わらず細かい演技指導がいろいろと入って大変(←宝塚BOYSからのお付き合いですから)。一路さんについては毎回舞台袖でラストもらい泣きとかしてしまう。一緒に演じられるのが嬉しい(役者の舞台袖でのすすり泣き率というのが今回非常に高いらしい)

山路さん
初演のDVDを見ようかどうしようか迷ったけれども見たらやりにくくなりそうで結局見ないままになっている。特に今回演技プランを変えようと意識したことはないけれども、月日が経っているのでそれなりに人間として演じ方みたいなのは変わっているのかもしれない。一路さんは5年前と比べて「本気だ」という鬼気迫るものを感じる。

一路さん
復帰してまだ間もないので稽古場ではなかなか勘が取り戻せなくて大変だった。通し稽古あたりからようやく目覚めてきた感じ。初演よりもとても新鮮な気持ちで舞台に臨んでいる。

稽古場の裏話も少々

葛山さんと一路さんのところの娘さんは同い年らしく、稽古場でお互いに写メを見せ合って情報交換していた(笑)。初演の時はほとんど余り話をしなかったのに年月が経って環境が変わると関係も変わるものだなとは葛山さん談。この流れから、「葛山さんはけっこう喋るんだよね」ということになり、山路さんが「レイヴィンは役作りと言うか葛山さんそのもの」と話していて会場が笑いの渦に(笑)。

舞台での裏話についても少々

再演の古株組は新加入組よりも「やらかしちゃう」度が高いらしい(笑)。山路さんは初日にセリフが分からなくなり真っ白になり、そのあとに続く展開では動揺のために「遅い」というところを「早い」と答えてしまい一路さんを混乱させる出来事があったんだとか(汗)。一路さん曰く「セリフが変わったんだとそのときは無理やり納得させた」とこと(笑)。葛山さんはこの日の失敗談として…初演よりもセットの規模が小さくなったせいか部屋から思わずはみ出してしまったと(笑)。
塩田さんは高い位置で指揮をしているせいか役者が後ろを向いた時の表情がとてもよく見えて感動しているんだとか。比較的後ろを向くことが多いこの舞台なので、できれば舞台の奥にミニカメラを設置してお客さんに見せたいとのこと。一路さんや山路さんは「次からどこかに塩ちゃんカメラがひっそり設置されそうでコワイ」と笑いを誘ってた。塩ちゃん関連では一路さんたちから「どうしてオーケストラは今回全員女性なんですか?」というツッコミも(笑)。塩田さんはたまたまと言っていましたが、山路さんと葛山さんは顔を見合わせながら「絶対に塩ちゃんの好みで集めたんだと思ってた」と話し合っていて開場が笑いの渦に(笑)。

最後に意気込みを一言ずつ

葛山さん
自分の性格上、テンションが上がった役だとそのままガーーッと強く行ってしまうので最後までその勢いが保てるように頑張りたい。

山路さん
回を重ねていくごとに色々と演技プランを変えたくなってしまったりするので観にくるごとに変化が楽しめるかも。2度3度…と観にきてくれると嬉しい。

一路さん
ダブルキャストという経験は初めてなので毎回とても新鮮な気持ちで舞台に立っている。毎回色々な発見があると思うので何度も足を運んでほしい。


と、ざっとトークショーはこんな感じでした(メモっぽいレポですみません 爆)。裏話なども色々出てきて面白かったです。役者さんたちも徐々にテンションが上がってきて最後のほうは非常にリラックスして素の表情が楽しめました。これが観れただけでもいった甲斐があったなぁと。葛山さんの穏やかなそれでいてウイットの富んだ会話も堪能できたしよかったよかった^^。


主な出演者
アンナ・カレーニナ:一路真輝、ヴロンスキー伯爵:伊礼彼方、レイヴィン:葛山信吾、ニコライ:山路和弘、スティーバ:山西惇、キティ:遠野あすか、ベッティ:春風ひとみ ほか

※初演の感想はこちら


以下、ネタバレを含んだ感想になります。




トークの時にも話題に上りましたが、初演よりも規模の小さいシアタークリエでの上演なので(初演はテアトル銀座劇場)セットが小振りになっていました。
舞台中央に物語が展開していく空間が作られて場面転換は盆を回して表現するといった方式は変わっていません。なのでセットの入れ替えなどもスムーズでストーリーは切れ目なく進んでいくといった印象です。電車内のセットからキティの部屋に変わったりカレーニン家に変わったりと色々な表情を見せるので視覚的にもけっこう楽しめますね。ただ、内容がけっこうヘヴィなので逆に長丁場の一幕などは私はちょっと疲れてしまいましたが(苦笑)。

夫と子供のいるアンナは兄の夫婦喧嘩仲裁のためにモスクワへ向かいますが、その列車内で若い陸軍士官ヴロスキーと出会い心惹かれてしまう。アンナは家庭があると自分に言い聞かせ何度も猛烈アタックしてくるヴロンスキーのアプローチを断り続けてきましたが、ある日ついに彼の熱意に負けて心を許してしまう。厳格な夫ニコライは離婚することも息子の親権を渡すことも固く拒絶。ついにヴロンスキーと駆け落ちする道を選んでしまうアンナ。
最初は幸せな二人きりの生活を楽しんでいたものの、中途半端な関係に次第にお互いの気持ちがすれ違うようになってしまう。さらにアンナは残してきてしまった愛すべき息子のセリョージャへの気持ちが日に日に高まりヴロンスキーとの間にできた子供に愛情を注ぐこともできず鬱状態へ陥っていく。そしてセリョージャの誕生日、アンナは彼に逢いに行くことを決意。ところがニコライはセリョージャに逢う事を決して許さず…。

と、こんなストーリー。かなーりヘヴィな内容なのですが(汗)これと同時進行でもうひとつの恋物語も展開されているのがこの物語の特徴。こちらは全くアンナサイドとは色が違いコメディ色が強いものになっています。
アンナの兄の妻の妹キティレイヴィンとヴロンスキーとの間で気持ちが揺れ動く。一度はヴロンスキーに思いを寄せてレイヴィンの求婚をすげなく断ったものの、結局ヴロンスキーはアンナを選んでしまいキティはもう一度自らの気持ちを見つめなおす。レイヴィンは田舎に帰りキティに振られた現実から逃れようと必死になっているもののなかなか彼女を忘れられない。キティはついに自分のレイヴィンへの本当の想いに気づくもののどう伝えていいかわからず床に臥せってしまう。それを聞いたレイヴィンは再びキティへ愛の告白をしに向かう。

アンナ、ヴロンスキー、ニコライの3人の関係は悲劇を迎えますが・・・キティ、レイヴィンの関係はハッピーエンドとなります。この二つの相反するエピソードが微妙につながりながら進行していくのがこの作品の特徴かな。アンナサイドの話が後半どんどん重くなり観ているこちらも辛くなってくるんですけど、そんなタイミングでレイヴィンたちのやたらコメディ的なテンションの高い明るい話が挟まってくるので頭が切り替えられる。
ただ、観ように因っては混乱してしまうかもしれませんけどね(苦笑)。なんとなく二つの物語には接点があるもののテンションも重みも全く違っていてるのでちょっと複雑です。

ストーリー全体の比重はアンナの悲劇に置かれているわけですが…やっぱり私は彼女に感情移入しきることはできなかったなぁ。感想はあまり初演と変わらないかも。アンナよりも夫のニコライにどうしても気持ちがシフトしてしまいます
ニコライは厳格な夫ではあるけれども実はとてもアンナを愛している。人前では厳しいことを言っても二人きりになるとアンナとの会話に積極的になろうとしていたり…とにかくとても愛情表現が不器用な男。アンナはそのことを見抜けないままヴロンスキーとの恋に溺れてしまうわけで、もう少しニコライのことをちゃんと見てほしかったと思わずにはいられません。妻が駆け落ちして出て行ったあとに息子と接する時もニコライは厳しい中にも愛情を持っていて…それは彼の中にアンナを見ているからだろうなと思えて仕方なかった。そしてあのクライマックスシーンは…アンナよりもニコライに涙します(涙)。あの不器用さが切なくてたまらない…。

楽曲についてですが、私は初演の時にCDは購入しているものほとんど聞いていなかったのでほとんど忘れてました(笑)。ただなぜか葛山さん演じるレイヴィンのナンバーだけは頭に残っていたんですねぇ。やはりテンションが高い分記憶に残っていたのかも(笑)。
ストーリーにはあまり共感できる部分は少ないんですが、ナンバーはとても素敵なものが揃っていると思います。これを機にもう一度聞きなおしてみようかな。

最後にキャストについて少々。

アンナを演じた一路さんは昨年から女優復帰していますが私は今回が復帰後初めてです。色々と人生経験を重ねていらっしゃるせいか初演のアンナよりもずっと洗練されていて…驚くほど役とリンクしていたなぁという印象でした。母親になられていることもあってか、別れた息子セリョージャへの思慕を歌うシーンは特に鬼気迫るものがあって圧倒されましたねぇ。
ニコライを演じた山路さんは本当に役にピタリとハマっていらっしゃる!初演よりもちょっとアンナに対する接し方がソフトになっていたかも。だからなおさら泣けたんです…(涙)。本当は誰よりも深くアンナを愛しているのにそのことをどうしても素直に伝えられないニコライが切なくてたまらん!あの表現力は素晴らしいですよ。クライマックスでの「戻ってくれるなら許そう」とギリギリの心境でついに本心を口にしたシーンはグッときて思わず涙が溢れました。
新たにヴロンスキー役として登場の伊礼君。若さゆえに突っ走ってしまう若い将校を熱演してましたが、今ひとつ華が足りなかったかなぁという印象も。見た目はとても様になっていてよかったんですけどね。そういえばこの日、クリケットの球が上手く舞台袖に転がらずに慌ててアドリブを入れるというハプニングも(笑)。ベッティ役の春風さんが肩を震わせて笑っててお客さんも爆笑でした。ちなみに初演の井上君を観た日もクリケットがうまくいっていなかったな。まともに舞台袖にボールが転がるのを私は一度も見ないことになるのか(笑)。

キティを演じた遠野さんはひたすらマイペースでぶっ飛んだキャラを楽しく演じてくれて面白かったです。歌声もとても綺麗だったし、コメディ芝居も無理がなくていい感じに力が抜けてた。なによりも可愛いよ!レイヴィンが惚れちゃうのも納得です。
そのレイヴィンを演じた葛山さん。初演に観た時には「葛山さんって歌えるんだ」と感動したものですが(笑)今回はあの時よりもさらにずっと歌唱力が増していて聞き応えがありましたよ。やはりあれ以来いくつかミュージカルもこなしてますし、舞台慣れしたなぁっていうのが実感。そして何よりもあの、舞台が狭く感じてしまうほどのハイテンションな芝居がすごい!!明らかに初演を超えてますよ、あれは。もう全身でキティへの愛情を表現。その姿が必死であればあるほど滑稽に見えてとても面白い。あんなハッチャけた葛山さんはこの舞台で泣ければお目にかかれないのではないだろうかとすら思うほど(笑)。あのテンションのまま最後まで公演乗り切ってほしいです。

アンナの兄であるスティーバを演じた山西さんは今回が初ミュージカルだとか。歌うシーンもありますがけっこうちゃんと歌えててよかったですよ。スティーバはどちらかというとレイヴィンサイドのストーリーに絡むことが多いのでコメディ的なお芝居がとても楽しかったです。特に葛山さん演じるレイヴィンとやりとりは漫才みたいで笑えたなぁ~。山西さんが演じることで初演よりもさらにコメディリリーフ色の強いスティーバだったなという印象です。
ベッティを演じた春風さんはアンナとヴロンスキーの仲についての噂をばら撒く中心的な役割を楽しそうに演じてたのが印象的でした。噂好きなおばさんってあんな感じなんだろうなぁみたいな(笑)。


やはりあまり好きな作品ではなかったのでリピートしませんが(DVDも予約しなかったし 汗)、役者さんの芝居としては十分楽しめました。千秋楽まで皆さん頑張ってほしいです。



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