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初日以来のミュージカル『戯伝写楽』を観に行ってきました。
この日は4月の東京とは思えないほどの寒さで…おまけに雨も降ってて…冬の装いでの観劇となりました。まさか4月中旬にコートとマフラーして出かけなければいけなくなるとは思わなかった(苦笑)。後で帰宅したときにニュースで見たら、渋谷は夜雪になっていたそうで交通にも影響があったとか。地球がなんらかの悲鳴をあげているのかも…。

初日に行ったときにはかなり客席も賑やかだったのですが、今回観劇したときは1階席中頃から後ろにかけてちょっと空席が目立っていたのが気になりました。不況の影響ももちろん大きいとは思うのですが、初日に見た感想からいうと…やはりちょっと厳しい結果に繋がったのかもなと感じました。
私の座席はちょうど中盤から前寄り。前回はオペラグラスで役者さんの表情を観察していたのですが今回はこともあろうに家に忘れてきてしまった(爆)。ただ、少し距離を感じる席ではあったもののよくガン見すれば表情も確認できる席だったのでよかったです。え…誰をガン見するつもりだったかって?(←誰も聞いてないよ 爆) …えっと…近頃突然雷に撃たれたように気になりだした葛山信吾さんです、ハイ…。

おもな出演者
斉藤十郎兵衛:橋本さとし、おせい:大和悠河、鉄蔵:葛山信吾、浮雲:ソニン、与七:東山義久、太田南畝:岸祐二、喜多川歌麿:小西遼生、鶴屋喜右衛門:コング桑田、蔦谷十三郎:山路和弘 ほか


以下、ネタバレを含んだ感想です。チョイ辛口入ってます。ご注意を。




まずは簡単なストーリー紹介。
自分の絵を売り込みたかった斉藤十郎兵衛はなかなか認められずに腐っていたある日、おせいという謎の女性と出会う。彼女の絵を見た十郎兵衛はある考えが閃き版元の蔦谷に「自分の絵だ」と言って売り込み契約成立させる。売り出すときの名前は"東洲斎写楽"。おせいはひたすら絵を描き続け、十郎兵衛は表の顔として名を挙げていく。ところが、その絵を偶然見かけた鉄蔵はそれがおせいのものであると気がつき彼女の元へ。かつて同棲していたこともあり復縁を迫るもすげなく断られてしまう鉄蔵。そこへ蔦谷も現れ、"写楽"が十郎兵衛ではなくおせいだったことがバレてしまう。蔦谷はこのままおせいが絵を描き十郎兵衛が表の顔としていくことを提案。そのことは鉄蔵、おせい、十郎兵衛、蔦谷、そして十郎兵衛と行動を共にしている与七の5人だけの秘密となった。ところがある日、吉原の花魁・浮雲が写楽の存在を疑う歌麿達の前で自分の姿絵を描いてほしいと言い出し、十郎兵衛と鉄蔵は大慌て。しかしその場にひっそりとおせいが忍び込んでいて…
と、概要をつまむとこんな感じです。写楽は表向きの顔は斉藤十郎兵衛が勤めていましたが、絵を描き続けていたのはおせいという女性だったという設定でした。十郎兵衛は表の顔を続けることに罪悪感を持ちますが、おせいは「ただ絵が描ければいい」と日影の存在でいることに異論はない。しかし、浮雲の絵を描いたことでおせいは精神的バランスを崩してしまうんですね。そこから先の人間模様はストーリーとしてとても見応えがあって面白かったです。

初日に一度観ていたことが今回かなり個人的にとなった観劇だったと思います。舞台って本当に進化していくものなんだなぁということをすごく実感できた。初日に気になっていた音楽の音と役者さんの歌声のバランスがかなりよくなっていたことにまず感動。そして何より役者さんの芝居に余裕を感じられたし、テンポもよかった。初日には何が起こったのかよく分からなかったシーンとかも「あぁ、そういうことだったのか」と納得できました。明らかに初日よりもカッコいい舞台だったなと思えたんですよね。初日に観劇するとこういう感動もあるのかと、今さらながら感じました(笑)。

ただ、もしも初日を見ていなかったら…と冷静に考えてみると…果たして作品的に本当に満足できるものだったかと言われれば微妙だったかもしれません。ストーリーはとても勢いのある内容だったし面白かった。ただ、その面白さを十分に客席まで伝えられる演出だったかといえば…微妙なんですよね。中島脚本の魅力を荻田演出が表現し切れなかったんじゃないかと…。
たとえばおせいと十郎兵衛が出会って歌舞伎を観に行くシーン。ここの描き方がなんだかすごくボンヤリしててハッキリしない印象がすごく強かった。おせいが歌舞伎を見てインスパイアされて絵を描いていくってことを表現したかったんだろうけど、なんというか…大和さんの存在をただクローズアップしたいかのような演出で…。なんていうんだろう、流れを止めてしまうような感じ。歌舞伎役者が次々と出てくるんだけどなんだかただ亡霊みたいに行ったり来たり通り過ぎていくだけで芸がない。
なんか全体的に輪郭のハッキリしないボヤけた感じが否めなかった。演技派の濃い役者さんが揃っているだけにもったいない。そういう風に見えてしまうということは、やっぱり私は荻田演出との相性が悪いのかもしれない。

それから…初日よりもかなりよくなっていた音響についてですが…アンサンブルや重唱とかになるとやはり歌詞が聞き取りづらかったのが残念です。特にダメだったのが高谷あゆみさんたち女性3人が楽しく歌い踊るシーン。2度目に観ても結局何を歌っているのかほとんど聞き取ることができなかった(涙)。それから浮雲とおせいのデュエットや1幕ラストの一番盛り上がる主要キャストによる重唱も聞き取りづらかったなぁ…。音楽の音が自己主張しすぎているというか…、役者さんのマイク調整がうまく行っていなかったかもというか…。

と、ここまでちょっと辛口意見続きになりましたが(汗)、2幕の展開はテンポがあってドラマも動いていたので個人的にはとてもよかったと思います。それぞれのキャラクターの心が激しく揺れ動いていく人間模様は見応えがとてもありましたね。
十郎兵衛とおせいの関係が浮雲の絵をきっかけに変わるシーン。浮雲の強烈な最期に取り憑かれたおせいは精神的バランスを失う。そんな彼女を必死に現世に連れ戻そうとする十郎兵衛と、浮雲の絵を巡り自分がコケにされたと思い込んでしまった鉄蔵の鬼気迫るやり取りは見応えがありました。十郎兵衛はおせいをここまで追い詰めたのは自分だという罪悪感があるし、鉄蔵は思うように絵が描けないことへのジレンマを抱えている。二人の男の追い詰められた心境っていうのがすごくリアルで苦しくて切なかった。おせいの狂気に触れて鉄蔵は本物の自分を見出し、十郎兵衛は"写楽"との決別をし、おせいも同時に苦しみから解放される。激しい感情の中でそれぞれが新しい一歩を踏み出すといったドラマチックな展開で感動的でした。
ラストの十郎兵衛がおせいと別れるシーンもとてもよかったです。最後に十郎兵衛を描いた絵を渡し一人旅に出るおせい。その後姿を見送った後、十郎兵衛は絵を見て「俺はこんな色男じゃないよ、お前の目も曇ったもんだな」と複雑な笑みを浮かべながら破り捨てる。破り捨てると同時に上から大量の"写楽"の絵が降ってきます。この光景がなんだかとても美しくて感動的でした。おせいは密かに十郎兵衛に心を寄せていたのかもしれない。そんな想いの詰まっていた絵だったのかなと。そして十郎兵衛もこれまで態度には示していなかったけれども実は心のどこかでおせいが気になっていたと思うんです。別れ際に渡された絵を見たとき、十郎兵衛はその恋心を永遠に封印しようとしたんじゃないかなと。それと同時に彼女と演じ続けた"写楽"との決別をしたんだと思いました。
十郎兵衛がおせいのくれた絵を破り捨てると同時に今までのキャストが勢ぞろいして歌い踊り、最後は華やかに終了。ダンスが得意なキャストが前列で苦手っぽいキャストが後ろでちょっと遠慮気味に動いてたのが面白かった(笑)。与七役の東山くんは本編ではダンスがほぼゼロだったので、このラストの大団円で弾けたように動いてましたね。

カーテンコールでは橋本さとしさんに無茶ぶりされた小西君がソニンちゃんの浮雲のモノマネをさせられて客席の笑いを誘っていました(笑)。次に岸さんに話を振ろうとしたのですか時間切れで終了しちゃってちょっと残念。どうやらこのカーテンコールでのお楽しみは毎日続いてたみたいですね(笑)。他の人の無茶ぶりされたときの表情も見てみたかった~(特に葛山さんの 笑)

十郎兵衛@橋本さとしさん、相変わらず素晴らしい安定感で…しかもますます演技に遊びの部分も加わったりしてとても楽しませてもらいました。遊び人っぽいんだけど憎めない軽い男っぷりもすごく笑えて面白いんですが、後半おせいを苦しそうな顔でぎゅっと抱きしめるといったようなシリアスな芝居もグッときました。

初日にはドン引きに近い状態だったおせい@大和悠河さんでしたが(苦笑)、上演を重ねたこともあってかようやくおせいの人間像が演技に出てくるようになっていたと思います。笑顔でいながらも訴えかけるようなおせいの心の叫びみたいなものも台詞の中に感じられるシーンが多くなったのでそういった点ではすごくよかった。歌は・・・半音ズレが多発した初日に比べるとかなりマシになってたかも。ただやはり歌うことに精一杯でそこに感情を乗せるといったところまではいかなかったように思えましたが…(汗)。

浮雲@ソニンちゃん、相変わらず艶っぽくて可愛いです。立居振舞いとかすごく頑張ってるなぁと思ったし。ただ、ちょっと花魁としての貫禄は感じなかったかなぁ。上辺をなぞるのに精一杯みたいなのも感じてしまったのが残念。でも、吉原の掟を破り恋人と心中しそこなった後の浮雲の鬼気迫る演技は素晴らしかったです。まさに本領発揮。彼女の熱さがストレートに伝わってきました。

鉄蔵@葛山信吾さん、前述したとおり最近ものすごくこの人の芝居に惹きつけられてるわけですが…なんか観るごとに魅力を増していってる気がします。鉄蔵は落ちぶれてしまった絵描きなのですが、その荒んでしまった自分の心にいつもどこかで苛立ちを隠せない様子がすごく伝わってきました。自分の絵が十郎兵衛にも劣ると思い込んでしまった彼が逆上しておせいを殺そうとしてしまうシーンは圧巻です!そのことが逆におせいから「その顔が観たかったんだ」と迫られ、自分の姿を見透かされた恐怖に駆られ逃げ出してしまう鉄蔵。しかしこの体験から鉄蔵は覚醒して赤い富士を見る。この覚醒するときの芝居、この作品の中で特に胸打たれ涙が出ましたよ。ちゃんと歌声の中に鉄蔵の感情が乗っていることが素晴らしいと思いました。葛山さん、またミュージカルにチャレンジしてください。ちなみに鉄蔵は後の葛飾北斎ということになってます。

与七@東山義久くん、多分私は今回彼の芝居を初めてまともに見たと思うんですが(レミゼは見なかったので)…予想外にいい芝居をしててちょっとビックリしました。ダンスの人ってイメージがすごく強かったんですけど、さとしさんと対等に渡り合えるような余裕といい、動きの軽やかさといい、ハッキリした歌声といい、すごくよかった。イマイチ十返舎一九の真の目的みたいなものが分かりづらかったんですが(汗)、東山君の芝居は好きでした。

太田南畝@岸祐二さん、前回も思いましたが…本当に侍姿がお似合い!特に丁髷があんなにハマる人だとは思わなかったですよ(笑)。今後時代劇かなりイケるんじゃないでしょうか。ちょっとコミカルで空回りしがちな太田殿は憎めなくて可愛くて最高でした。相変わらず歌声もいい!

喜多川歌麿@小西遼生くん、前回観たときはなかなか艶っぽくていい感じだなと思っていたのですか、この日はちょっとお疲れだったのかパワーダウンした感が否めませんでした(汗)。キザっぽく頑張ってるんだけど影が薄いというか…歌声も線が細い。ちょっと残念。

鶴屋喜右衛門ほか@コング桑田さん、鶴屋のほかにもけっこう色んな役をこなしていらっしゃいまして…その存在感は群を抜いて目立っておりました。特にあの歌舞伎のシーンのときに出てくる女形はド迫力のインパクトです(笑)。鶴屋さんの芝居も安定しててよかったですよ。それになにより歌声が素晴らしいですよね。

蔦谷十三郎@山路和弘さん、初日に見たときも素晴らしい安定感だと思いましたが今回はさらに成熟したというか…芝居の部分に余裕がありかなりリアルな蔦谷さんになっておりました。江戸時代、こういった粋なオヤジいただろなぁ・・・みたいな。台詞回しといい、歌といい、役柄に違和感が全くありません。カッコいいチョイ悪親父みたいな印象(笑)。写楽が消滅してしまうと思った蔦谷が浮雲の死に顔の絵を世に出してまでそれを押し留めようとしながら、ハッと我に返り写楽との決別を受け入れるシーンは特に印象的でした。やはり上手いし魅力的な役者さんです、山路さん。


この作品、DVDになるということで…正直どうしようかかなり迷ったのですが、さとしさんや葛山さん、山路さんが個人的にかなりツボだったので購入してしまいました(笑)。映像特典とかありそうなので楽しみ…。




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